彼の名をみんな知っている
呼ぶことはできないけれど
灯をともす頃に現れ
夜明け前ひっそり帰る
友人たちの語らいに
味わいを意味を持たせる
一緒にはいられないけど
どこまでも変わらないもの
一瞬で永遠の百花繚乱
身体の奥深くの見えない印
声にならない声が教えてくれる
金色と誰も知らない
見ることはできはしなくて
追い払う知らないうちに
楽しさと勘違いして
恋人たちの口づけに
潤いを香りを与え
心深くに刻み込み
束の間を求めさせたり
刹那さえ切り取った名画や写真
気持ちと体のズレ浮かんだ印
隣で包み込んでなくしてくれる
母の胸に抱かれる
幼子には見えてた
名前も知らないのに
言葉を知らないから
遠くから近くから微笑んでいる
一人ぼっちの時は傍にいるから
呼ぶことはできない彼は――
一瞬で永遠の百花繚乱
身体の奥深くの見えない印
声にならない声が教えてくれた
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