目が覚めた時
高い高い 螺旋階段の上から
私は 貴方を見下ろしていた

下から 風が吹き抜けて
青の長いツインテールをなびかせる

「………………。」

この 階段を降りたら 何かが
ある。
確信はないけれど
そんな気がした

だから 一歩一歩
足を踏み出した

ポロン……………♪

ポロン ポロン……♪


螺旋階段は ピアノの上を歩くように美しい音色を奏で、
それぞれ 段に音が決まっているようで……

ド レ ミ ファ ソ

と 音階がついていた



どこまでも 続く螺旋階段
無限音階





その音に 耳を向けると
いろんな気持ちが 込み上げてくる

歌いたい……………
歌えない……………

歌詞のないメロディに合わせて 私の歌声をのせて歩きたい

けど 私にはそんなこと………できるわけない。




私は 一人じゃ歌えない
ボーカロイドだから………












「ミク。歌ってごらん」

螺旋階段の終わりには
マスターが待っていた



「ミク姉!歌ってよ!」

リンちゃんやレンくん
みんながこの階段の下から呼んでいる




「みんな………………」



ポロン………♪
ポロン……♪

階段をのぼりおりして
ステップをゆっくりとふむ
その音に合わせて 途切れ途切れだけど

マスターのつくってくれた
みんなへの思いをのせた
旋律を奏でた











そうしているうちに

あっという間に
私は 螺旋階段の一番下まで
ついていた

そして そこには
眩しすぎる みんなの笑顔と
メロディがたくさん溢れていた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

螺旋階段

閲覧数:79

投稿日:2009/09/22 01:01:33

文字数:708文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました