じゃあ、時間になりましたので、教科書149ページを開いてください。
今回から新しい漢文を読んでいきますので、まずは概要から説明しますと、
この漢文は作者不明の経典で、釈迦が説いたものとは別物とされているものです。
今から書き下し文と現代語訳が載っているプリントを配布しますので、後ろに回してください。
この経文の書き出しは、

弟聞、己之怏怏心就。(ていぶんきのおうおうしんじゅ)
何為空題、心滅法苛哉。(かいくうだいしんめっぽうかや)
是空非言、是空非嘲、(ぜくうひげんぜくうひちょう)
然得言不穏奇怪也。(ぜんとくげんふおんきっかいや)
兄説、是之怏怏心就。(けいせつぜのおうおうしんじゅ)
何為空題、心滅法苛哉、(かいくうだいしんめっぽうかや)
其所以、幾及又紛然、然主由一有。(きしょじききゅうゆうふんぜんぜんしゅゆういつゆう)
先空題、自己之顕示現、(せんくうだいじきのけんじげん)
卑承認欲様被見聞有。(ひしょうにんよくようけんぶんゆう)
即皆如何、魅惹悩案、(そっかいにょかみじゃくのうあん)
創意巡、創藝巧。併乍、(そういじゅんそうげいこうへいじゃ)
彼等一切、題意捨、創意捨、(ひどういっさいだいいしゃそういしゃ)
唯空題之迫力已縋、(ゆいくうだいのはくりきいっつい)
不誠心不当手躬行。(ふせいしんふとうしゅきゅうこう)
是君厭空題故哉。(ぜくんえんくうだいこや)

といったように、この漢文は一般的な文法と語順が違ったり、
再読文字や接続詞も違う用法がなされていたりするなど、
読解はかなり難解なものになっているので注意してください。

不言、是初考用、創的故被笑勿、被責勿。(ふげんぜしょこうようそうてきこひしょうぶつひせきぶつ)
然、先人之是唯形已擬、宛薩摩守様、至愚也。(ぜんせんじんぜゆいけいいっぎえんさつましゅようしぐや)
唯己求儘名題、是成除、若模心有其即罪。(ゆいききゅうじんめいだいぜせいじょにゃくぼしんゆうきそくざい)
是猶、似非肆分参拾参秒己之唯一物述。(ぜゆうじひしふんさんじゅさんびょうきのゆいいつぶつじゅつ)

では、書き下し文を読み上げますので
よく聞いてください

弟聞ク、己ノ怏怏タル心ニ就イテ。
何為レゾ空題ハ、心ヲ滅法ニ苛タセルヤ。
是ノ空ハ言ワズ、是ノ空ハ嘲ラズ、
然シ、得モ言ワレズ穏ヤカナラヌハ奇怪ナリ。
兄説ク、是ノ怏怏タル心ニ就イテ。
何為レゾ空題ハ、心ヲ滅法ニ苛タセルヤ。
其ノ所以、幾ツカニ及ビテ又紛然タル、然レド主ナ由ハ一ツ有リ。
先ズ、空題ハ自己ノ顕示ヲ現シ
卑シク承認ヲ欲スル様ニ見聞サルルコト有リ。
即チ、皆如何ニシテ魅セ惹クカ悩ミ案ジ、
創意ヲ巡ラセ、藝ヲ巧ミニ創ル。併シ乍ラ、
彼等ハ一切ノ題意ヲ捨テ創意ヲ捨テ、
唯、空題ノ迫力ノミニ縋リ、
誠ナラヌ心デ、不当ナ手ヲ躬行スル。
是、君ガ空題ヲ厭ウ故カ。

殆者、唯承認欲已。(たいじゃゆいしょうにんよくい)
空題不含藝的観念、唯虚我欲有意社無。(くうだいふがんげいてきかんねんゆいきょがよくゆういしゃむ)
若真空題有、追名不要。(じゃくしんくうだいついめいふよう)
是、彼等卓抜欲様、明、詳、発出、示所以也。(ぜひどうたくばつよくようめいしょうはっしゅつししょいや)
斯兄説、弟深深頷、世人哀嘆也。(しけいせつていしんしんがんせじんあいたんや)

もういい くどいんだ もう飽き飽きだ もう嫌になるからさ
ほらほら 清清しい程の胸焼けだ
もう本当に名前が消えてしまえば良い
もうこの世に無かったことになるように祈っている

…という意味であるとおおよそ解釈されています。以上が現代語訳です。
今回の講義で解説しきれなかった部分もありますので、それはまた次回解説します。
ちなみに、この経典は社会を揶揄する内容となっていますが、
この経典の公開当初、作者は皮肉にも多方から149(顰蹙)を買ったようです。

では、今日の授業を終わります。

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<h1>   </h1> - ヒズミ零 (歌詞)

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投稿日:2022/12/26 16:59:17

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カテゴリ:歌詞

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