「ん…」

キン!

眩しい光が目に突き刺さり、一瞬目を瞑った。
その後、ゆっくりと目を開けると、白い天上が見える。

その後、記憶が戻ってくる。

あぁ、私はガンで入院して、2週間前手術を受けたんだっけ。
成功した、と医師から言われ、そして今日退院だ。

でも、何か違う。
何かが矛盾している。

その、「違う」ものを思い出そうとすると、頭がキーンと痛くなる。
カキ氷を一気に食べたような、あの痛み。

まぁいいや。

上半身だけを起こして、周りを見渡した。
優しく、柔らかい風が、青緑の髪を撫でるように吹く。
とても心地がいい。

「美久(みく)、帰ろっか。」

お母さんの声。

「うん!今日の晩御飯はハンバーグがいいな!」

「よぉし、お母さん頑張るから!」


どうしようもなく嬉しさがこみ上げてくる。
歌でも歌いたい気分。

病院から出て、自分のいた病室を見上げた。

─さよなら。もうここには戻ってこないように頑張るからね─

病院に向って、心の中で呟いた。

「そういえば、燐(りん)と連(れん)は?今年16歳だよね。」

「元気よ。同じ学校に合格して、すごい嬉しそうだよ。」

「私も18歳か。」

本当なら、高校3年生。
そして卒業しているのにな。

ちょっと悲しくなって、
蒼く清んだ空を見上げた。

私の兄弟は三人。
下に双子の燐と連。
上に瑠架(るか)姉ぇ。そういえば瑠架(るか)姉ぇは24歳か。
もう結婚しててもおかしくないな。

闘病生活はとても過酷だった。

でも、もうそんな生活から解き放たれる。

そんな充実感でいっぱいになった。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

緑の歌姫 2

漢字でいろいろ出てきます。
後の展開で、この回の意味が分かるかも。

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投稿日:2010/08/03 19:32:19

文字数:683文字

カテゴリ:小説

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