【オリジナルマスター】 ―Grasp― 第十四話 【アキラ編】

投稿日:2010/02/15 19:29:15 | 文字数:3,705文字 | 閲覧数:124 | カテゴリ:小説

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マスターの設定で異様に盛り上がり、自作マスターの人気に作者が嫉妬し出す頃、
なんとコラボで書きませんかとお誘いが。コラボ相手の大物っぷりにぷるぷるしてます。

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アキラ、ちょっとデレが出るの巻。

どうも、1ヶ月ぶりのつんばるです。1ヶ月もお待たせして、ほんとに申し訳ない!
おかげで卒論も無事提出できました! こはさん及び今まで待っててくれた方、
ほんとうにありがとうございますー!

ですが、復帰後一発目がデレアキラなんてそれなんて俺いぢめ/(^o^)\
今回のアキラは、読んでて誰だコイツとか思ったのは私だけじゃないはず。
なので、今回はみょうなアキラを主にみるのではなく本気出した悠サンを愛でる回と
思って読んで下さればよいかと思われます^p^

悠編では、先輩が微S設定を存分に発揮しているようなので、こちらも是非!

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昨日、思うところあって過去に投稿していた一部作品を削除しました。
閲覧・コメント・ブクマ等していただいた方、ほんとうにありがとうございました!
作品自体はブログに格納してありますので、読みたくなったらプロフ欄からどうぞ。

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白瀬悠さんの生みの親で、悠編を担当している桜宮小春さんのページはこちら!
http://piapro.jp/haru_nemu_202

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TEXT
 

オリジナルのマスターに力を入れすぎた結果、なんとコラボで書けることになった。
オリジナルマスターがメイン、というか、マスター(♂)×マスター(♀)です、新ジャンル!
そして、ところによりカイメイ風味です、苦手な方は注意!

コラボ相手は、かの純情物語師(つんばる命名)、桜宮小春さんです!
(つ´ω`)<ゆっくりしていってね!>(・ω・春)



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 それが本心か、と問うと、絶望的だ、というような顔で、見られた。
 そう、言葉通りにとれば、私の言葉は、あなたのいう本気のきもちを否定している。

「悠サンが知っているそういった女の子たちと、私も同類だと――そう思っているのに、気をもたせるようなことを言ったのかい」
「ちが、そんなつもりっ……!」

 必死そうな表情だ。混乱しているのだろう。慌てふためいているのを、身体の中にとどめておくのが精いっぱいというような。いまにも暴れ出したいくらいの混乱かもしれない。

「落ち着いて、悠サン。私があんたを否定しようとしている、とか、へんなこと考えないで聞いてもらえるかな」

 やれやれ、私がこんなにていねいに諭してやるなんて、なかなかないことだよ? 気付いてる?



―Grasp―
アキラ編 第十四話



 そして、私も落ち着くべきだ。これから話をしようとすることは、すべて事実で、誰でもない私がいちばんみとめてやるべき現実だ。ふうと息をついて、悠サンと目を合わせた。

「今回は私がわるかった」

 自分の非をみとめるという行為は、とても屈辱的だ。けれど、まちがっていたならまちがっていたときちんと謝らなければいけない。それくらいの分別はある。

「謝るよ。ごめんなさい」

 ぺこ、と、すこしだけ腰を折って、お辞儀をする。相手が慌てたような気配が感じとれるけれど、それは敢えて無視する。顔を上げるついでに、悠サンから視線をはずすけれど、悠サンは依然私を見据えたままだ(私は、人の目を見るというのがにがてなのだ。とくに、自分のことを話すときは)。

「付き合ってどうしたい、なんて、いじわるな質問して、すまなかったと思ってる。正直、私は付き合うとか付き合わないとか、好きとか嫌いとか、よくわからない」
「なんだ、それは。彼女いない歴が年齢の俺に対するあてつけか」
「そんなつもりはないよ。ただ、前にお付き合いした人は、私が想像通りの女じゃないとわかると身体しか求めてこなくなったからね」

 さらりと言ったつもりだったけれど、相手ははっと息をのんだ。
 できるだけ棘のないように言ったつもりだったけれど、やはり、私の声は私に正直だ。棘はないけれど、疲労とかなしみが、インク一滴ほどにじんでいる気がする。
 やはり、話すべきではなかっただろうか。脳をかすめた疑問には目をつむる。口に出してしまった以上、やっぱり嘘だなんて言えない。どうしたって、覆せない。だって、これは、事実だ。

「悠サンはそういうひとじゃないと思う。だけれど、私は、誰の想像以上にも臆病なんだよ」

 私は、自分の好きな人に嫌われるのが怖い。自分の好いた人が、自分の知らないところで変わって行くのを見るのが怖い。状況の変化についていけなくて、自棄になってしまいそうな自分が怖い。

「ごめんね。私はきっと悠サンの思ってるような女じゃない」

 そして、私はあなたの望むような人間には、どうなったってなれないだろう。
 否、私は、誰の望むような人間にもなれないだろう。私はきっと、いつだって自分のために、自分の望むような人間として生きてきたし、これからもきっとそうするだろうから。なにごとにも動じず、誰かが安心して寄りかかれるような、あるいは、弱音を吐かない、誰かに都合のいいような。私は、そんな人間では、断じて、ない。
 それでもあなたは、私を嫌わずにいられるのか。

「――それがお前のいいとこだろ」

 かけられた言葉は、温かくて優しくて、でも、声は、冬の朝の空気よりも鋭かった。

「俺の予想を裏切る。俺の思考の斜め上を行く。しかもそれが天然だ。俺がどれだけお前のこと考えても太刀打ちできないのが、俺の知ってる『東雲晶』。俺が思ったような奴じゃないからって、今更嫌いになんかなるかよ」

 直感的に、叱られている、と、思った。でも、きっと、叱られているのは私だけじゃない。この言葉を口に出すことで、きっと悠サンも自分を悔いている。それがほんとうかどうかはわからないけれど、そんな感じがする。
 悠サンは怒っているんじゃない。ただ、私を叱っている。『好かれること』に、安心できない私を。『好きでいること』に臆病な私を。『人を好きになる』ということじたいに、警戒心が強すぎる私を。
 私(たち)は、悠サンに叱られている。

「お前のそういうところが、好きなんだから」

 ――こころにつかえていたなにかが、しかるべきところにおちた音がした。

「……悠さんにとって都合のいい人間になんかなれないよ?」
「そんなの求めてねえよ」
「かわいくないし、悠サンのことコケにするし、全体的に失礼だし、その、他にもいろいろ……」
「今にはじまったことじゃないだろ」
「絶対絶対後悔するよ、とんでもないやつに手を出したって」
「お前がとんでもないやつなのは百も承知だ」
「嫌いになったら嫌いになったって言ってくれていいんだからね」
「ああ、当分飽きないから問題ない」
「……でも」

 ああ、なんでそんな風に間髪入れずに返事をしてくるんだ、あんたは。
 何か言っていないと泣きそうだ。でも、言葉は選ばないと、自分で自分の言葉に泣いてしまいそう。

「なんでそう不安そうなんだ。たまには人にすがったっていいんだぞ。俺じゃ不満か?」

 ――さっき、こころの底におちたものが、ごろりと転がって、思わずせつなくなった。
 はあ、と、あからさまに息を吐いて、私は顔を俯ける。少しだけまぶたを伏せて、それから、顔を上げた。ベッドに腰掛けたままの悠サンを見下ろすかたちで、私は、すこしだけ笑った(笑えていただろうか)。

「……かっこつけて何言ってんだか。不満もなにも、こんなにボロボロの状態のやつに、私が守られたままでいるとでも思っているの?」
「う」
「呆れたひとだね、悠サンは」

 ぴ、と、その鼻先に指をさしていうと、それとわかるほど簡単に、悠サンの視線は部屋の中を泳いだ。……わかりやすいひとだ。

「――悠サンは、ほんとうに私のことがすきなんだね」
「お、おう」

 それでも、問えば、視線は間違いなく私の方に戻ってくる。真摯だ、と、思う。そして、誠実だ。

「私も、悠サンはきらいじゃない」

 まだ、すき、と、言うには、こそばゆい。だから、

「悠サンの傍は居心地がいい」

 これが、私の精いっぱいだ。でも、これ以上にひつようなことを、私は知らない。
 意外とするりと言葉になったけれど、言われた当の本人は、目を丸くしたかと思うと、すぐに視線を逸らしてしまった。あれ、なにかへんな言い方をしただろうか。そう思っていると、悠サンは、ベッドから立ち上がりながら、そういえば、と、あたかも思い出した風を装って、話のトーンを切り替えた(ばればれだよ、悠サン)。

「そ……そういえば、家に連絡しないと、あいつらに心配かけちまう……」
「ああ、そのことなら、かいとくんとめーこさんが美憂先輩にメール打ってくれたよ。家の方には美憂先輩から連絡がいくだろうから、心配しなくていいんじゃないかな」

 壁にかかった時計の針は、ずいぶん進んでいる。美憂先輩がメールを受け取ってから準備をしたとしたら、もうすぐうちに着く頃だ。

「悪いな。助かるよ、ありがとう。……ところでアキラ」
「何?」
「1つ発言の撤回を要求する」

 思わず首をかしげる。はて、なにかへんなことを言っただろうか(いや、たくさん言った気がする)。正直、玄関先での攻防についてなにか言われたら、あれは忘れてくれといいたいところだけれど――。
 内心恐々としていると、悠サンは、さもたのしそうに、左の口角をくっきりと上げて、口を開いた。

「自分で自分を可愛くないなんて言うな。心配しなくても、俺から見たら充分可愛いから」
「なっ」

 はからずも凝視してしまった悠サンの表情は、よくいえば悪戯を仕掛け終えた子どものような、わるくいえば悪人面ともいえる笑みを湛えていた。
 身構えて損した! なにいわれるかとどきどきした自分がばかみたいだ!

「なに言ってんの、べつにしんぱいなんかしてない! んな歯が浮くような似合わないセリフ、言ってて自分で恥ずかしくないのか!」
「事実だしな」
「っ、ばか!」
「何とでもどーぞ」

 ああ、悔しいことだ。こういうときばっかり大人ぶって。
 こんなふざけたやつにほだされてしまったなんて、私はどうかしているのかもしれない(でも、それもまたよしと思う自分がいることも、否定できない)。

つんばるといいます。世の中のすみっこでしがないモノカキやってます。
MEIKOがすきです。KAITOがすきです。カイメイがすきです。

写真素材はサイズ・色調その他、改変自由のフリー素材です。お好きにどうぞ。
なにかが誰かの琴線に触れたらさいわいです。

⇒ブログ:http://phantomlake.blog58.fc2.com/
⇒メール:croak-crash【あっとまーく】hotmail.co.jp

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