ことばや数の本の前
幼い僕を座らせて
優しい顔の母様は
頭をなでて言いました
「これから毎日 勉強するの
あなたはできるわ 天才だから」
母様、あなたに褒められたくて
毎日 朝から晩まで僕は
子供の時間を犠牲に捧げ
鉛筆握って戦いました
大人はみんな 僕を見て
天才などと褒めました
いつしか僕はそれに慣れ
高慢ちきになりました
ところが成長してゆく僕は
努力で勝てない相手を見つけ
勉強だけしかできない僕は
勉強でだけは負けられません
たったひとつの存在意義を
僕から取り上げないでください
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母様、あなたが愛した僕は
天才などではなかったのです
敗れてようやく気がつきました
もうすぐホームに電車が来ます
さよなら母様、ごめんなさい
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