這い出した焦燥に 奪われて行く 夜は長く
朽ち果てた恋情に 満ち足りてゆく 藍[あい]は深く
恍惚を引き摺って ほつれる境には
優越を噛みしめる 卑しい歯が見える
抜け出した現状に 書き換えられる 今は暗く
欠け落ちた喧騒に 取り残されて 僕が滲む
かりそめの慰めで ほぐれる痛みでも
掃きだめのはかなさが 憐れむ目に刺さる
独りだけの影 行く末の丸[まろ]み
隔たりの惑い 吹き出した哀[あい]の随[まにま]に
ふたりだけの息 絡み合う歪み
温もりの憂い
「もういやだ なげだしたい」
吐き出した感情に 打ち捨てられる 夢は温く
泣き濡らす感傷に 置き換えられて 僕は嗤う
取りこぼす距離感で 縺[もつ]れる歩みでも
躊躇って差し伸べる 寂しい手は遠く
独りだけの熱 辿るほど辛い
補えば揺らぐ 彷彿[ほうふつ]とさせる端々[はしばし]
ふたりだけの嘘 重ね合う願い
抗[あらが]えば苦く
「もういやだ にげだしたい」
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