這い出した焦燥に 奪われて行く 夜は長く
朽ち果てた恋情に 満ち足りてゆく 藍[あい]は深く

恍惚を引き摺って ほつれる境には
優越を噛みしめる 卑しい歯が見える


抜け出した現状に 書き換えられる 今は暗く
欠け落ちた喧騒に 取り残されて 僕が滲む

かりそめの慰めで ほぐれる痛みでも
掃きだめのはかなさが 憐れむ目に刺さる


独りだけの影 行く末の丸[まろ]み
隔たりの惑い 吹き出した哀[あい]の随[まにま]に

ふたりだけの息 絡み合う歪み
温もりの憂い 

「もういやだ なげだしたい」



吐き出した感情に 打ち捨てられる 夢は温く
泣き濡らす感傷に 置き換えられて 僕は嗤う

取りこぼす距離感で 縺[もつ]れる歩みでも
躊躇って差し伸べる 寂しい手は遠く


独りだけの熱 辿るほど辛い
補えば揺らぐ 彷彿[ほうふつ]とさせる端々[はしばし]

ふたりだけの嘘 重ね合う願い
抗[あらが]えば苦く 

「もういやだ にげだしたい」

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「にげだしたい」

こころをうばわれるのは、こんなにもくるしい。



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恋を経たその先にあるものは、あたたかく優しいものばかりじゃないというお話。
それでもいいと思えたなら、それは本物。

……かもしれない。

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投稿日:2012/02/05 22:20:32

文字数:429文字

カテゴリ:歌詞

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