猫が死んだのが先だったっけ
僕が死んだのが先だったっけ
どうしよう
おぼえてないや
肝心なことは何一つ
去年の今日の空の色や
隣に座った馬鹿な女の笑い声
どれもこんなに鮮明なのに
どうしよう君の声だけ思い出せない 思い出せない
枯れた街路樹で蝉が鳴いてる
猫は今夜は僕だったっけ
君が死んだのはいつだったっけ
そんなことより
いつまでたっても
太陽が沈まない
消えたダイオードの明滅
新品のとけたアスファルトの匂いでも
どれもこんなに鮮明なのに
どうしよう君の声だけきこえてこない きこえてこない
枯れた銀杏の並木の坂道を
ただ昇るだけ ただ昇るだけ
枯れた銀杏の並木の坂道をただ昇るだけ
どうしよう君の声だけおもいだせない おもいだせない
月がない街
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