いま翳が差して明日はもう祈らないんだ
「春が来て雪がほどけて、哲学もいらなくなって、
それでも僕たちは死ぬ理由を探していた。
先生は帰ってこないと、薄々と気づいていたのに、
朝食の席で外を見つめ黙っていた。」
「春が来て雪がほどけて、哲学もいらなくなって、
それでも僕たちは書庫から出られずにいた。
先生は帰ってこないと、薄々と気づいていたのに、
朝食の席で外を見つめ黙っていた。」
それでもまだ幼い記憶があって
冬の蕾は腐っていく
それでもまだ幼い記憶があって
冬の蕾を塞いでいく
「滅びゆくものだけが美しいと信じてみて。
かつて信仰であったものは散佚したのだと信じてみて。
残酷な白い春のために。
君を欺いた言葉が、その力をうしなうように。」
「忘れられた嘘だけが正しいと信じてみて。
かつての不変であったものは散佚したのだと信じてみて。
残酷な白い春のために。
君を欺いた言葉が、その力をうしなうように。」
いま翳が差して明日はもう祈らないんだ
「春が来て雪がほどけて、哲学もいらなくなって、
それでも僕たちは死ぬ理由を探していた。
先生は帰ってこないと、薄々と気づいていたのに、
朝食の席で外を見つめ黙っていた。」
「春が来て雪がほどけて、哲学もいらなくなって、
それでも僕たちは書庫から出られずにいた。
先生は帰ってこないと、薄々と気づいていたのに、
朝食の席で外を見つめ黙っていた。」
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