ナイフを握って
突き刺して
少女は笑った
"染まりましょう"

美しく生えわたる 赤
染めて 全てを染めて
真っ赤だね 奇麗だね
あぁ、まだ足りないわ


暗闇の奥底
真っ黒で
感覚だけの命
"色を染めて"

黒以外を知らない
何色なんて関係ない
全てが黒になるから
それでも知りたい
あぁ、教えてくれ

赤い赤い模様に包まれた
少女は進み続けた
黒い黒い世界しか知らない
少年は檻から出たかった

手を伸ばしても届かない
壊せない檻の中に居るから
沢山の色を見てみたい
きっと此処より美しい
僕の知らない世界を見せてよ
そこは何色が待っている


ナイフ翳して
突き立てて
少女は笑った
"さあ、おいで"

泣き腫らして
見えなくて
少年の涙は
"何色？"


この場所が赤くならないなら
暗闇ごと壊してしまえばいいでしょ


手を伸ばしても届かない
僕は壊せない檻の中に居るから？
伝わるのは冷たい感触だけ
僕は自分の世界さえ知らない..


暗闇を切り裂いて
赤く赤く染めるために
たどり着いたのは小さな檻
横たわる君はだれ

何も解らない
僕はどうして生きてるの
黒い黒い世界に

色が..!!

僕の世界を 新しい色を
ねぇ…青い空を背に立つ
赤い君は誰

解ったの
私が染めていたのは
赤い赤い私だけ

黒い君を初めて違う色にそめた
赤い君が初めて見た違う色

全てを赤く染める筈だったのに
沢山の色を見る筈だったのに
もう良い..


君の色だけで