少女は心に獣を飼う
白い鬣とまっさらな尾
勇ましい姿に相応しい名
呼べば答えて微笑むんだ
小さい部屋に一人きり
膝を抱えて目を瞑る
ようこそ此処は世界の淵
お前に会える唯一の地
美しい鼓動が
背中合わせで震えてんだ
優しい其の歌で
あたしをすっかり騙しておくれ
少女は心に獣を飼う
鋭い眼光 深紅の牙
だけどあたしは知ってるんだ
本当はただの寂しがりや
広い街に一人きり
佇み空を見上げてみた
ようこそ其処が世界の果て
君に会える唯一の地
ぼやけた視界じゃ
全部が全部マガイモノだ
恐ろしい妄想に
取り込まれて涙すら出ない
獣にそっと触れてみる
柔らかな毛並みと冷たい肌
それはそうだと口を噛んだ
お前はあたしにしか見えないんだ!
夢の中
お前の
背中に乗って飛び出した
何処までも
何処までも
行けると信じた少女だった
きらきらの
星達も
あたしを祝福してるはずだった
ところが
目を開ければ
なんてことない日常に
押し込まれた小さな身体
美しい鼓動は
嘘と本当の狭間で息をした
優しい其の歌は
あたしをすっかり騙してくれた
ぼやけた視界で
あたしは泣いていたと知った
恐ろしい妄想と
思い切れるほど大人じゃなかった
少女は心の獣に問う
どうしてお前は優しいの
其の大きな口で一息に
飲み込んでくれたらよかったのに
獣はわざと嘲笑った
何せ俺の名前はさ
あんたが付けてくれたんだ
呼べよ答えて微笑むから
あんたが其れを望むなら
何処までたって連れて行こう
美しい鼓動は
あたしを包んで夜を走った
優しい其の歌で
あたしをすっかり慰めたんだ
大丈夫、あんたは
俺のことを忘れはしないだろう
最後に獣は
其の声で少女の名を呼んだ
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