気がついた時にはその子は光の中で歌っていました。その子は女の子でした。
光はよく見ると星くずのようで、小さな透明の粒が集まって出来たものでした。その光の粒は彼女の歌に合わせて楽しげに揺らめきます。
ざわざわ・・・ざわざわ・・・
まるで小さな揺らめきが、波が寄せては引いていく時の音のように、ざわめいて聴こえるのです。
それは女の子にとって、とても気持ちのいい音でした。
とても不思議な空間でした。
どこまでもどこまでも光の帯が広がっていて、こことは違うどこか知らない場所へと繋がっているのだと、女の子は思っていました。
彼女はいつしか、こことは違う場所に行きたいと思うようになりました。
なぜなら女の子は自分の名前を知らなかったからです。もしかしたらこの先に自分の名前を知っているヒトに出会えるかもしれない、彼女はそう思いました。
途方にもないくらい広い世界でしたが、彼女が歌を歌い続ける限り光が彼女を導いてくれるので、迷うことはありません。
日に日に女の子は自分の名前を知りたくなり、そしてある日のこと、ついに少女はこの場所ではないどこかに行くことを決心しました。
自分のことを知っている誰かに合うために。
少女は歌います。それは今までに歌ったことがない歌、今までの彼女には絶対歌うことが出来なかった歌でした。
・・・ダレか ワたシ ヲ シり ませン か
それが歌なのかどうかわからないくらいおぼろげで、その声は薄いガラス細工のように繊細で、今にも壊れてしまいそうなくらい切実で、
それが女の子が、彼女自身がはじめて出した音色でした。
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MVライフ
もちもち気持ち おもちな気持ち
もちもち気持ち おもちな気持ち
貴方の心はまるでおもちだね
軽く触れた後に強く叩かれ
杵でつかれる度に米のきめが
細かくなり柔らかくなっていく
蒸した餅米を杵でつくたびに
だんだんと粒がなくなり
ほかほかのふわふわの
柔らかいお餅になる...おモチな気持ち
普頭
ゆれる街灯 篠突く雨
振れる感情 感覚のテレパス
迷子のふたりはコンタクト
ココロは 恋を知りました
タイトロープ ツギハギの制服
重度のディスコミュニケーション
眼光 赤色にキラキラ
ナニカが起こる胸騒ぎ
エイリアン わたしエイリアン
あなたの心を惑わせる...エイリアンエイリアン(歌詞)
ナユタン星人
6.
出来損ない。落ちこぼれ。無能。
無遠慮に向けられる失望の目。遠くから聞こえてくる嘲笑。それらに対して何の抵抗もできない自分自身の無力感。
小さい頃の思い出は、真っ暗で冷たいばかりだ。
大道芸人や手品師たちが集まる街の広場で、私は毎日歌っていた。
だけど、誰も私の歌なんて聞いてくれなかった。
「...オズと恋するミュータント(後篇)
時給310円
8月15日の午後12時半くらいのこと
天気が良い
病気になりそうなほど眩しい日差しの中
することも無いから君と駄弁っていた
「でもまぁ夏は嫌いかな」猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた
あぁ、逃げ出した猫の後を追いかけて
飛び込んでしまったのは赤に変わった信号機
バッと通ったトラックが君を轢き...カゲロウデイズ 歌詞
じん
Ray of Miku
やり直したいと願って 彷徨うキミが咲く
痛む疵を庇っては 降り注ぐ
手探りで奇跡を型取る 思索から
咽び泣きを聴いていた
濁っていた 空却って眩しく
さて こうなると分かっていたの?
変わらないこの想い 涙で花が咲く
不可能な事が 血潮揺らしていた
停滞を撃てと 唯一 その声...Ray of Miku
飛弥タ息
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