「えっと…じゃあ、この日からは3日間ロケ、と言う事ですね、それなら…。」
「本当に色々ごめんなさいね~、でも売り出し中ですし~。」
「構いませんよ、お仕事は大事です。彼女は歌う事が、貴方はマネージメントが、
我々はそのサポートが大事な仕事、でしょう?」
「先生ったら優しいわぁ~。もうもう!」
奏先生は部屋のテーブルでマネージャーとスケジュール調整をしてる。柔らかい物腰と思いやりのある言葉にマネージャーは終始嬉しそうな笑顔。最近じゃ奏先生と話す時はメイクに気合が入ってる。奏先生って何気にホスト体質だよね…。
『俺が騎士好きだから、もう好きになっちゃダメだよ。』
「…%$×☆●△@=◇★…~~~~~~っ!!!」
思い出しちゃった…。あれどう言う意味だろう?本当にそう言う意味とか?!だとしたら羽鉦さんって所謂B…!!そ、それはマズイのでは?!あ、でも2人共綺麗だし凄い違和感無く似合いそうではある…?
「お・は・よ。」
「んぁっ…!!」
「お、良いねぇ、その声、もう一回。」
「しません!」
「おい、羽鉦…。」
「判ってるって、小鳥ちゃんと昼食行こうと思って、ね?小鳥ちゃん。」
いきなり耳に息を吹き掛けられ変な声が出た。いつの間に背後に!それ以前に何処から入って来たの?!耳を押さえて睨み付けると、羽鉦さんはいつものニコニコ笑顔でチョイチョイと窓を指差した。あれ?窓の鍵閉めて無…かったみたい。危ない危ない気を付けよう。
「もうすぐロケ入ってるんだって?」
「はい、3日間PV撮影で…。」
食堂でご飯食べながら改めて観察してみると…。う~ん、髪真っ白だけどサラサラだし、顔立ちも綺麗だし、全体の色素が薄いから高級なアンティークドールみたいだよね。たまに変だけど優しいし、それにお金持ちみたいだし、これ女の人が絶対に放って置かないと思うんだけどなぁ…そう考えると勿体無い気が…。
…ん?ちょっと待って、奏先生が昨日の事知ってたんだとしたら、それで私の護衛に?つまり女の子に対しては絶対安全圏って事で…。
「何か言いたそうだね?」
「いぇ、結構考えての人事なのかな~って。」
「は?人事?」
そっか、うん。じゃあ警戒し過ぎるのも失礼だよね。ここはちゃんと人として応援しないと!
「あの、羽鉦さん、色々大変でしょうけど頑張って下さいね!」
「は…?」
「羽鉦さんが誰を好きでも応援しますから!それが奏先生でも!」
途端に辺りがざわっとした。特に女の人達が。こっち向いてヒソヒソ話してる。もしかして…もしかしなくても爆弾投下…?
「おい…。」
「は、はい…。」
「ちょっと来い!」
「ごめんなさぁああ~~~い!!」
私は猫の様に襟首を掴まれ引き摺られて行った…。
BeastSyndrome -7.ランチの途中で爆弾投下-
※次ページはネタバレ用の為今は見ない事をオススメします。
闇月羽鉦が特別好きな人は見ても良いかも知れません。
彼の真意がそこにあります。
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