Synchro NiGHT -3-
「ねえ、ユナ。」
「本当は知ってるんでしょ?」
「予知できるんだよね?」
「もしかして、あえて見てないふりをしてるの?」
「悪夢、止められるかもしれないよ」
話しかけないでよ、いつ起こるかは分からないし…止められないことは止められないんだもの。
「ダメだなぁ、夢とか希望を、捨てちゃだめなんだよ」
大体、こう夢の中にまで出てくるって、どうかしてるよなぁ。
ねえ、アイさん。
どうして私たちをいつも見てるの?
初めて会った私たちなのに。
「・・・はっ」
夢で誰かと話していた気がする。
重要な人物だと思ったんだけど、思い出せない。
時計を見ると、4時半を指していた。
二度寝するには、中途半端な時間。
かといって、特にすることもない私は、暇なのです。
「散歩とか、してみようかな」
リノさんたちに、褒められるかもしれない。
そんな野望に押されて、外に飛び出した。
朝の山は寒い。
霧も少しかかっていた。
それでも、すっきりとした空気が肺を満たしていく感覚が、心地いい。
「きもちいい~!!」
「ほんと、ここ、いいところだよね…」
聞きなれない声を聞いた。
緑の髪の女の子(このあたりでは緑の髪がたくさんいるが、GUMIさん寄りの緑だった)が立っていた。
「でもね、ここもすぐ、消えちゃうの」
どういうことだろう?
「私、ミヤ。詠音ミヤ。貴女の、名前は、何ていうの?」
「あ、ああ、私は琴音ユナだよ。」
声が上ずってしまった。
何とかごまかそうとした。
「ミヤちゃんも、散歩してたの?」
「ううん、私の家、ここなの」
山に住んでるのか…
「すてきなところだね」
「・・・・・・」
反応が無かった。
変なこと、言ってしまったのかな。
「ユナ」
「?」
「あなたは私たちの、敵になるけど、私はユナを、嫌いじゃない」
何を言ってるのか分からなかった。
敵ってなんのことだろう。
私がきょとんとしていると、ミヤは続けた。
「この街は、汚れすぎている、だから、一度無に還す」
「私、ユナ傷つけない、でも、みんな、どうなるか、わからない」
「逃げて、ほしい」
「霧が、大きくなるから」
未来を思い出して、頭が痛くなる。
「さよなら、私は、またあなたに会いたい」
惑うな、惑わされるな!!
予知は本当だった、勘違いじゃなかった
でも、未来は変わるのかもしれない
だって
霧の中の町に、あの子はいなかった
アイさん
彼女は歪んだ存在(イレギュラー)
「今の世界で、ミヤは敵になったのね…」
誰にも聞けない独り言、ぽつりと呟く
私はストーリーテラー
この世界では…アイ
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