―――僕は今日、恋をしました。テレビの中のあの子に―――
いや、テレビといっても地域番組の中の子だけどね!
でも、あの子は他の誰よりも輝いて見えて・・・。
そんな恋をして数ヶ月、その子と会うということをそのときの僕はまだ知らなかった―――
―――「・・・これで入学式を終わります。礼!」
やっと、やっと終わった・・・。中学の入学式。
僕は、中学生になった。そして、ある出会いをする。
あの日恋した、テレビの前の女の子・・・に良く似た子。
あの子との違いは、メガネをかけている、という所と髪型くらい?
偶然にも隣の席だった・・・!
「キミが隣?あたし、鏡音リン!よろしくね!」
そんなことを考えていたら、隣の子が話しかけてきた。
「あ、僕、鏡音レン。宜しく」
なんか素っ気無かったかなー。でもその子は笑顔を返してくれた。
―――僕はその子に一目ぼれしてしまったかもしれない。
そうこうして、あれから3週間たった、ある日の給食の時間。
「ねぇ、お前、やっぱテレビ出てんの?」
近くに座っていた神威がリン(3週間たったら呼び捨てになってきた)に聞いた。
「そそそ、そうだけど・・・って、変な宣伝しないでよがくぽ!」
リンが少し照れながらいった・・・あれ?
「あ、鏡音は知らないと思うけど、リンってテレビ出てんだぜ!地域番組だけどな!」
―――繋がった。全てが一つに繋がった。
《リン=テレビの中のあの子》だったのだ。
その日の放課後、僕はリンと一緒に帰った。まぁ、2人では流石に帰れないので、神威や巡音さんも一緒だけど。
そして神威たちが帰って、僕とリンが2人になった。
なんか緊張するな・・・。
「あ、あのさ、リンって本当にテレビ出てんの?」
「ああ、うん。ホントだよ」
やっとのことで発せた言葉。しかし、会話はそこで途切れた。
それから2人、何も話さずに進んで・・・。ついに別れる時。
「あ、じゃあ、アタシこっちの道だから!」
だめだめだめだめだめだめだめだ!
今日はちゃんと言うんだ!
真実を知った今日だから!
「ちょっと待って!・・・話したいことがあるんだけど」
「ん?いいよ」
リンはいつもの笑顔で返してくれる。
僕は息を吸った。そして、真っ直ぐな気持ちを口に出した。
「僕は、何ヶ月か前、ある番組を見たんだ。そしてその番組に出ていた女の子に恋した。そして、入学してすぐ、同じクラスになった子にも恋してしまった。僕は、テレビのあの子にも、クラスの子にも、惹かれてしまったんだ。僕は、テレビの中の子のキラキラした笑顔も、クラスの子の励ましてくれる笑顔も大好きだった」
僕は、一呼吸おき、リンに自分の最大限の気持ちを伝えた。
「その、僕が恋した子たちは―――君だった。2人とも。だから、僕は―――
―――君が、好きだ、リン」
言えた。自分の気持ちをしっかりと伝えられた。
リンは、落ち着いた顔を崩さなかった。
「レン、ありがとう。あたしは、まだ君が好きかどうか分からない。それは、君の性格が掴めないってのもあるし、第一、恋がどんなものかまだ分かんない。だから、返事はまだ待っててくれるかな?」
「・・・うん、分かった。待つよ。リンの気持ちが一つに固まるまで」
リンの返事はOKでもNOでもなかった。だから、もう少し待つ。
―――そしてレンの恋が実り、付き合い始めるのは、また別の話。
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