透明な空気が夜に変わる
歌声は化粧のようだった
安いイヤホンで聞いていた声が
まだ頭にこびりついている
ちょうどこんなさみしい夜だった
布団まで冷たかった
息を吸って肺に夜を満たして
眠って起きておやすみ
巻いたコード指を震わせて
生かして、生かして、おねがい
呑み込んだオレンジ
湧きたつ血と心を連れて
書き込んだ画面に
あなたへの愛を、愛を。
透明な心に血がついていく
実体が見えて触れた
お守りがナイフに変わっていた
持つことをやめられなかった
水を流して拙く無様に書いて
破いて叩いてさようなら
投げたパソコン 消したデータを
活かして、活かして、またいつか
吐き出したオレンジ
空っぽの体を引き連れて
獣道を歩いて
もう、嗤い声も聞こえない
したためるオレンジ
血も涙もまだあってしまうけれど
声を思い出して
あなたへの愛を、書くよ。
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