屋上にて。(3)
投稿日:2012/03/21 22:10:44 | 文字数:1,496文字 | 閲覧数:126 | カテゴリ:小説
屋上では会わなくなる、二人。 そしてどんどん、崩れ始める。
恋人になって、早3ヶ月。
私たちは、3年生―受験生―になっていた。
受験生という、重みもあり一時期、迷惑をかけた。
今は大丈夫。 私たちが付き合っているのは、たちまち広まった。
私は全然よかったけど、清水はなんか照れてた。・・・可愛いな、おい。
あぁ、ノロケそう。ダメだなー・・・なんて考えてると、教室移動をする時間になっていた。
「そろそろ行くかな。」
ちなみに、私と清水は違うクラスだ。 辛い。
同じようなこと考えてるのかなー・・・とか、悩む。
何してるんだろうとか、何でもない疑問を抱く。
「亜紀?何ぼーっとしてんの? 早く行くよ。」
と、優希に言われて慌てて教室を出る。 ちなみに優希は、3年間クラスが一緒の親友だ。
優希達に追いつこうと廊下を走っているときに、清水を見た。
他の女の子と、すごく楽しそうに喋っていた。
「~で、こうなるんだぞ。ノートに書いておけ、それで覚えろ。テストに出るからな。」
誰だったんだろう、あの子・・・
「ここよく分かんなーい!あとで教えてくんない?って亜紀、聞いてる?」
私に言っていたようだ。 ノートをとっていないから、教えるも何もないのだが・・・
「あ、あぁ・・・ごめん聞いてなかった。」
返答し、消されないうちに黒板に書いてあることを、ノートに写す。
「なんか今日、ずーっと上の空じゃない?何かあった? 勉強教えてくれたら、相談乗るよ?」
後半は冗談っぽく、笑う。
「大丈夫よ。 んじゃー、勉強教えてあげる。相談乗ってくれるんでしょ?」
勉強を教えるのは嫌いじゃないしね。
「うん、もちろんじゃん!! やったー!ありがと、亜紀!!」
どれだけ喜んでいるんだ、こいつは。
「どうしたしまして。」
優希との会話で、気分が晴れた。
放課後。
部活は、吹奏楽部に所属していたが、3年生として引退し家に帰るようになった。
勿論、清水と一緒だけど。 たまに家にお邪魔させてもらっている。家に呼ぶこともしばしば。
今日は、清水が待ち合わせの校門に来るのが遅れるんだとか。なんでだろ?
30分後。
やっと清水がきた。
「あ、亜紀。 帰っててよかったのに・・・」
一人じゃ帰りたくないよ、私。
「一人で帰るなんて嫌なの」
寂しげな表情で私は呟く。
「・・・ごめんな?」
寂しかった。
「いいよ。 事情があったんだろうし。」
出来ればその事情を教えてほしいんだけど、と表情で訴える。
「あぁ、ちょっと色々あってな。気にすんな。」
いや、気にすんなじゃないでしょ。気にするよ。
「また、隠し事するんだ」
付き合う前に、告白する前に、隠した。 約束を破ったことを曖昧に誤魔化された。
「あ、いや・・・ごめん。これは本当に言えない。でも、お前が心配するようなことじゃない。」
何それ。意味がわからない。 泣きたい。
「何それ・・・意味分かんない、本当分かんない・・・ そんなこと言ったって、心配するに決まってるでしょ・・・・・・」
泣きかけで言う。
「泣くなよ。 絶対大丈夫だから、な?」
そう言いながら、私を抱きしめてくれた。
あったかい。 心地よい。 落ち着く。
でも、だからと言って心配が消えるわけじゃないの・・・!
「もうさ、距離置かない? 私たち」
清水の顔は絶望の色で染まっていた。
続く。
新キャラ:伊藤優希(女)
3年3組(亜紀も同様)
これからどんどん、活躍する予定です。
(プロフィールはありません)