缶ビール一本 そっと口付ける
酔えないな
間違えて付けた冷房が 前髪を洗う
歪んだ部屋 固く締め切った布 隙間を這う光
光の先に時計
針は1:00
昨日この時間 何していた?
…そうだ 君がいて確かに君がいて
笑ってたよな それは今も覚えているのに
どうして 君はここにいないの
机の上 缶ビールもう1本 これは今日の君の分
缶ビール1本 喉に流し込む
酔えないか
窓をすり抜けた冷風が 指先をさらう
冷え切った手 無駄に整えられた爪 まだ君の匂い
匂いの跡にすがる
僕は一体
君のために何してきた?
…そうだ 君がいておかげで僕がいて
笑えてたんだ それが今やっと分かったのに
どうして 君はここにいないの
机の上 缶ビールただ1本 これは今日の君の分
変わらないと思っていた
それを当然としていた だけど…
缶ビール2本目 君のを溶かす
酔わせてくれ
もういいんだ きっと もういいんだ
だから だけど やっぱり 今も好きだ
せめて それだけでも 最後に言いったかった なあ
机の上 缶ビール空が2本 これは明日ゴミ箱へ
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