君の背を眺めていた
夏の終わりの海岸線
テトラポッドを跳び移っては
僕を振り返りはにかんで
時間が全部止まったような
雲一つもない青い空
麦藁帽子を照らす日差しと
飲みかけのサイダーと
「人はいつか離れるけど
誰もがそのお別れを
今日や明日だとは思っていないんだ」
いつか君はそう笑った
(いつまでも離れないことを
願ってしまってはいけないの?)
僕の拙い言葉を並べても
届かないような気がして
繋いだ手を離さないで
離れたらもう戻れないからさ
(Into the Blue)
君とおんなじ方へただ走った
今だけは忘れていようよ
この夏に終わりがあることを
(Into the Blue)
ただ笑ってさ
飛び込むの
少し遠くへ行きたいなんて
曖昧な理由で僕らは
行くあてもなく彷徨っていた
あの水平線をなぞるように
「いっそのこと二人して
どこでもない場所へ消えようか」
白いワンピースが眩しかった
海風の凪いだあと
でも本当はわかっているんだ
そう遠くない先に終わりは来る
踵を返して 来た道を辿って
理不尽で残酷な現実へ帰る
いっそのこと二人して
この時を抱えたまま
互いの呼吸に終止符を打って
永遠の青に沈めたなら
避けられない別れを恐れて
繋ぎ止めていたんだろう ずっと
(Into the Blue)
二人おんなじ場所へ向かいたくて
他愛もない話をしては
泣き出すのを堪えて僕ら今
(Into the Blue)
遥か遠く
溶けていく
これから先 空っぽの夏を僕は何で埋めていく?
君の今は僕の未来に残像を幻想を描いていく
どこに足を着けて歩み何を見て大人になる?
あの日君が泣いていた理由がそこにあるんだろうか
繋いだ手を離さないで
重ねた手を握っていたくて
ほんの少しだって隣にいたくてさ
(Into the Blue)
君とおんなじ方へただ走った
今だけは忘れていようよ
この夏に終わりがあることを
(Into the Blue...)
君の足がふいに止まった
夏の終わりの海岸線
ここを二人の記憶の終着点にしよう
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