「そうでした、熊の神様に会われたんですよね」
女性の顔がよりにこやかになった。
「…と言っても、私たちが「神様」と呼ばせてもらっているだけなんですけど」
「一体どういうことなんですか?」
「本当は神様なんかでなく、普通の熊なのです」
―ここと熊をつないだのは、ここの野菜でした
ある日、野菜を収穫していた人々は熊が別の野菜畑から出ていたのを目撃しました
数匹の魚をくわえていたそうです
目撃した人々は熊を追い払おうと武器を持ってきました
驚いたのは熊の方
くわえていた魚を口から放し、逃げていきました
村人は武器を置き、残された魚をまじまじ見つめたのです
熊が怖くて魚が取りにいけず、食べられなかった私たち
村中で魚を分けて食べると、熊にありがたみを感じるようになりました
そこで、熊がおりてきた畑にあった野菜を収穫し、適当な所に置いておいたのです
出てきてくれるか…私たちは気になりました
熊を刺激しない様、畑に寄りつくことを止めたのです
それから何週間か経ったある日の夕方、それは起きました
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