今や誰も訪れぬ
忘れられた廃社
遠い記憶を回顧して
──神代の鎮守神と人々、在りし日の原風景
翠緑の海に舞い降り
祈り捧ぐ巫女
豊作を願い奉る
決して交わらずとも
信仰を守り続けた
愛こそは感じるが
けれども神は孤立していた
信奉者共よ 我(かぜ)の声を聞け と
然れど想いは伝わらぬ
数多の生命は幾度も巡りて
繋ぎ止める筈の連鎖
永久に留められはしない いつか
時の暴風に飛ばされようとも
今は聞いていよう
かぜと ともに
時は流れ信仰は
忘れ去られていた
寂れた森に来訪者
──忘らるる風の神、その存在を繋ぎ止めた最後の信者
鉄の海から来た
理想描く青年
夢の為に筆走らせる
決して交わらなくても
傍で見守り続けた
打ちのめされる現実
無知であるが故 気付けなかった
愛おしき者よ 夢想(ほし)の色を見よ と
然れど想いは届かない
命の灯火 断ち切られて
壊された魂の器
独り善がりじゃ救えない
赤いカンバスと筆跡
数多の苦悩も最早 宙の向こうへ
ほしに なって
名も無き君よ “風星神”(われ)は何もできぬ
廃社の空を仰ぐ
嘗ての生命達は何処へ行くのか
知る術はきっと無い
ならばその記憶を背負い
永久に語り紡ぐ
やがて終焉(おわり)が来るその瞬間(とき)まで
かぜと ともに
ほしに なって
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