静かな街を駆け抜ける真っ赤な閃光
当たり前の慣らされた日常を切り裂け
そびえる塔の陰で刹那、息を止めて 夕景を仰ぎ
“さあ始めよう、破戒の夜を”

群像、団欒、寄合、理想。
永遠の懐古だけがここにある
未来、発展、それは退廃の元凶!元凶!
“そんなもんは全部嘘っぱちさ。”と
逢魔の影が僕らを誘う

ああ、
すべて壊せてしまえたらいいのに

箱庭の上燃える空、かかる夕月に
願わくばこの声届くなら
夕暮れしか来ないこの街に
もう一度絶望を

釘打たれた黄昏は蔭りはしないけど
昼にも戻らない、どうせなら
はびこり始めたDusk すべてかきあつめて
この手に夜を呼べ


五つしか打たない古ぼけた柱時計
ネジを狙う僕を茜の軍隊が追う
落ちる最期の光に安穏して目を背ける箱庭に
忍び寄るラグナロク 鐘が鳴った

清貧、未完成、郷愁、滞留。
回顧なシュミはやがて醒めるだろう
明日、進歩、甘い夜に見る夢、希望
そんなものが全部この街にはない
だったらぶち壊してしまえばいい

駆けつづけろ、
この空が剥がれるまで

黄昏と宵闇の境界、時の出口に
願わくばこの足が届くなら
夕日にすがりつくこの街に
もう一度絶望を

かりそめに閉ざされた“理想”の共同体(コミュニティ)
もう一度怒り狂い、泣き叫べ
“その絆は嘘だ。(It's a fake)”、こんな黄昏(たそかれ)の光の中じゃ
誰の顔も分からない!


“どうせここを出たって”と
後から声が聞こえた
“闇をごまかした明るい夜があるだけだ”

“ここを出て何を求める?”
“居場所を捨て誰にすがる?”
“発展に踊らされた街ではただゴミのように
積まれたモノの砂漠が広がるのみ―――‐”


“それならずっとここにいて、何か変わるのか?”


僕らの枢軸の塔、真の天辺に
願わくばこの手が届くなら
永遠の黄昏を待つ街に
もう一度希望を

あの街もこの街も夜を怖れていた、
ごまかしや小細工じゃ何も変わらない
“諦めるな、最後まで”そんな声が聞こえた
真の光を仰げ


走り出た空は灰色の樹で覆われていた。
それでも僕たちはその枝に愛の巣を掛けた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

トワイライトアイズ

――――夜が来なければ、永遠に朝も来ない。

懐古趣味に物申す!的な作品。
クレヨンしんちゃんの映画「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」をモチーフに書いてみました(何故)。あと夕日ということで「ALWAYS」を匂わせる描写を入れてみた・・・つもりだった。

三丁目の夕日、どれも最後まで見たことありません。
私自身(その時代を知ってるわけじゃないのに)すごく懐かしく感じるけど、それにとらわれてばかりじゃいけないと思う。無論今の無秩序な発展も危ないけど、進歩する良さだってあるよね。

物が足りなければもっともっと豊かになりたいと思い、ある程度豊かになって振り返ってみれば、「昔は良かった」と思い出す。
人間って勝手ですね。

閲覧数:173

投稿日:2013/08/21 14:55:11

文字数:895文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました