貴方は優しい言葉をくれない
でも、黙って私の歩幅に合わせてくれる

「食べ過ぎだ」って
甘いものを取り上げるのに
冷蔵庫にはいつだって
私の好きな甘いもの

そんな貴方の優しさを
言葉にしてほしくて

勝手に言葉にしてみる


おやすみのあいさつは素っ気ないメール
おはようのあいさつも素っ気ないメール

でも必ず同じ時間
私が眠る少し前

もう少し話したくて甘えると
「早く寝なさい」って

素っ気ないそのメールに
愛を感じるのは私だけ

友達は信じられないなんて笑うの
でも私にはわかるの
貴方は不器用な人だから

貴方の精一杯の優しさに愛を感じるの


鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす
貴方はそんな人
言葉を尽くされるより
貴方が黙って差し出す手の平が嬉しい

けど、ときどき
欲しくなるの

「好きだよ」の一言


貴方は優しい言葉をくれない
でも、黙って私の歩幅に合わせてくれる

「食べ過ぎだ」って
甘いものを取り上げるのに
冷蔵庫にはいつだって
私の好きな甘いもの

そんな貴方の優しさを
言葉にしてほしくて

勝手に言葉にしてみる


寂しくて涙を浮かべる時は
戸惑いながら抱き締めてくれる

自分の辛さを自分の中に押し込めて
私の辛さまで飲み込んで

そんな貴方の優しさを
貴方の辛さごと
包み込んで放したくなくなるの


愛を感じるの
不器用な人だから
言葉にできない言葉を
心で感じるの


「好きだよ」って
小さく呟くと
真っ赤になって黙り込む貴方
何度も頷いて
口を開くのに言葉が出てこない

わかるの
貴方が言いたい言葉
だからもう一度言うの
貴方の分まで

「好きだよ」