「はい、リハーサルOKでーす!休憩入りまーす!」
「あ…先輩!」
「リヌちゃん。」
「あの…この前は酷い事言って本当にごめんなさい!私…その…先輩に嫉妬してました!」
「…ぷっ…!ご、ごめんなさ…!り、リヌちゃん…素直過ぎ…!!あははははは!!」
「だ、だってぇ~…。」
「もう、良いよ、気にしてないし、それに…嫉妬される位上手くなりたいし…もっと
 頑張らないとね、お互いに。」
「先輩…もぉ~好きです!!」
「わわっ?!リヌちゃん?!」

ごめんなさい、先輩。本当は私、自分だけ謝ってスッキリしたかっただけかも知れない。でも言わなきゃいけないと思ったし嫉妬してたのも正直な気持ちだった。こんなモヤモヤ抱えたままで歌なんか歌えないと思っちゃったから。外の空気を吸いたくて裏口から外に出る。雲一つ無くて抜ける様な青空、深呼吸して、思いっ切り伸びをする。

「がんばるぞ~!」
「デカイ声。」
「?!…え?!え?!」

突然の声にびっくりして辺りを見回してみたけど、誰も居なかった。ままま、まさか!こんな昼間から幽霊?!

「緊張してるのかと思ってたけど、大丈夫そうだな。」
「もしかして弐拍さん?!ど、何処から?!」
「上だ、上、こっち。」

声を頼りに見上げると木の上に弐拍さんを見付けた。何かおっきな野良猫みたい。

「来てくれたんですか?」
「ちょっと仕事でね。」

私はふと辺りを見回した。見た限り弐拍さん一人の様だ。

「…今日は一人なんですね?」
「そ、俺一人…って、ああ、翡翠の方が良かったか?悪い、あいつは来てないよ。」
「そ、そんな事は…!」

嘘です、ちょっと探しました。

「なぁ、えっと…リヌ。」
「はい?」
「一個だけ、お願いして良いかな?」
「私にですか?」

返事の代わりに弐拍さんは木から目の前に飛び降りると、急に真剣な目で私を見た。風が凪いで周りの音がやけに静かになる。

「何かあったら、俺を呼んで。」
「え…?」
「俺でも、翡翠でも、使土でもノアでも良い。助けて欲しいなら、名前を呼んで。」
「弐拍さん?」
「啓輔で良い『さん』も要らない。助けに行くから、名前を呼んで。」
「啓輔…?」
「今日、気を付けて…それと、頑張れ。」
「はい!」

そう言うと、弐拍さん…もとい啓輔はまた木の上へと忍者みたいに飛び乗ってどこかへ行ってしまった。励ましてくれた…のかな?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -33.野良猫?いえいえ蝙蝠です-

※次ページにイケナイ人が居ますw

閲覧数:314

投稿日:2010/06/08 15:26:01

文字数:1,000文字

カテゴリ:小説

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  • 門音

    門音

    ご意見・ご感想

    おいキト、そこをどきやがれ★(殴

    見てるこっちが真っ赤になりますねwそしてダメですねww
    いやはや…よかったよかった^^(蹴
    しかし一回目って…あ、確かにしてましたね。
    いつかこのあたりのシーン描きたいなぁ…w←自重なんてしませんが(やめろ

    2010/06/08 19:50:19

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