※ちょっと暴力表現アリ

本日ハ晴天ナリ。

空は晴れ渡り、雲一つない真っ青な空が広がる中僕らは歩いていた。
水田が両脇に広がる一本道だが、僕ら二人が両手を広げても、まだ余りそうな道だ。直線なので遠くまで見通せる。
一緒にいるのは双子の姉のリン。
スキップして鼻歌なんか歌いながら7、8メートルくらい先を進んでいる。
そんなリンの笑顔とは裏腹に、僕の表情は曇っていた。
一歩、また一歩と進める足取りが、次第に重たくなってくる。

「レンー、歩くの遅いーっ」

僕の気持ちを知ってか知らずか、リンが膨れっ面で僕に向き直って言う。
僕はつい言い返した。

当たり前だろ?だって…

「リンが荷物を全部持たせるから…っ」

そう。現在進行系で僕の両手は買い物袋でふさがっている。
右手と左手合わせて4袋だ。
何が入ってるかって?バナナが1袋につき5房。
バナナって何気に重いんだよ?
僕のこの気持ちわかりますか…((涙

一人で感傷に浸っている中、リンは仁王立ちで腕を組み、僕を見下したような目線を投げ付けながら言った。

「あれぇ、何言ってるの?私のお小遣でおやつ買うけど、わけてあげる代わりに袋持って、って言ったら目を輝かせてたのはどこの誰かしら?」

漫画的に言うならば、"ニタァ"という文字が横に入りそうな笑顔を見せるリン。

こういうところは軽くムカつく

「こんなに買うなんて聞いてないよ!」

袋をこれみよがしに掲げ、不満に思っていたことを投げ付けてみた。

「当たり前でしょ、言ってないもの。」

軽くかわされてしまった。
鏡音レンに100のダメージ。瀕死の状態だ。
どうする、俺!
―――――――――――
 言い返す
 逃げる
》睨んでみる
 死んだフリ
 バナナ食べて回復
―――――――――――
とりあえず睨んでみた。
するとリンは嘲るように笑った。

「レンもまだまだ青いわね」

…もう、立ち直れそうにないorz

とぼとぼと帰路を進んでいく僕。
相変わらず鼻歌でスキップしている君。
急にそんなリンが憎たらしく感じてきて、怒りが沸々と沸き上がって来た。

「お姉ちゃんなんていらない」

気付けばそんなことを口走っていた。
我にかえり、不意に自分の口から生み出された言葉に驚く。
恐る恐るリンの方を見てみたが、先程と変わらず、軽い足取りで7、8メートルくらい先を進んでいる。
聞こえていなかったようだ。
僕はホッと胸を撫で下ろした。
「ちょっと待って」と伝えようと、顔をあげ、口を開こうとしたその時だった。
僕の言おうとした言葉は放たれることはなく、かわりにけたたましいブレーキの音と何かがそれにぶつかった音が虚しく響き渡った。
手に持っていた袋が落ちる音がした。
僕は自分の目がだんだんと見開かれていくのがわかった。

「何…が…」

状況がまったく理解できない。
リンのいたはずの場所には大きな貨物トラックが道を塞ぐように斜め向きに停車していて。
運転手は慌ててエンジンをかけ直そうとしていて。
前を歩いていたはずのリンは僕よりもずっと後ろで、赤い水溜まりの上に俯せになって倒れていて微動だにしてなくて…。
トラックのエンジンがかかり、走り出そうとしている。
僕はその瞬間走り出していた。
トラックのサイドミラーにしがみつき、運転席の窓をこぶしで突き破り、そして、運転手の胸倉を掴んだ。
手の痛みなんて気にならなかった。
車内にはアルコールのニオイが漂っていて、運転席のカップフォルダにはビールの缶がのっている。
ビビりまくってる運転手からは、いっそう強くアルコールのニオイがした。
そこで僕はやっと理解した。

コイツガ酒ヲ飲ンデリンヲ轢イタ

「お前ぇぇぇ…っ!!!」

まずは一発。運転手に拳をいれる。
その反動で、ガラスで切り刻まれた僕の手や腕からは血が滲み出る。
運転手の白いTシャツが自分の赤と僕の赤で模様が出来ていく。
それだけでは僕の怒りは収まらず、相手の顔がぱんぱんに膨れ上がるほどに怒りをぶつけていた。
涙と血でぐしゃぐしゃになりながらごめんなさいとずっと呟く。
あと一発いれておこうと手を振りかざしたが、これ以上は危ないと思い、震える拳からゆっくりと力を抜いて、力無く腕を下げた。
僕の手からはとめどなく血が滴り落ちている。
運転手は緊張がとけたのか、失神して動かなくなった。

僕は息を荒げながらしばらく運転手を睨みつけたあと、トラックから離れ、ふらふらとリンのもとへ歩み寄った。

「リン……リン…、リン…っ」

ぐったりとして動かない姉をそっと抱き起こす。
左腕に青ざめたリンの頭を乗せ、右手で頬をなでる。
罪悪感に襲われ、涙が次から次にでてきて、止まらない。

僕があんなこと言ったから…

「ごめん…ごめん、ごめんなさい…っ」

これじゃ、あの運転手と同じじゃないか…っ

一度言った言葉は戻って来ることはない。
謝っても謝っても、罪悪感は増える一方だ。

僕は泣きながらリンを抱きしめた。
その時だった。

「レン…」

自分の名を呼ぶ声がする。

「リン…?」

リンの顔を見てみるとうっすらと目を開け、何かを探すように目を動かしていた。

「リン…っ!よかった、僕はここだよ、見える?」

涙をこらえて必死にリンの顔を覗き込む。
リンは僕を見つけると、力無く笑った。

「レン、ごめんね。こんなお姉ちゃんで…。バナナはお詫びに全部あげる。」

まるで、もう二度と食べることはできないという意味にも思えた。
堪えていた涙が溢れ出す。

「いやだよ…一緒に食べよう?僕はリンと一緒じゃなきゃ食べないよ…。一緒に食べるために僕が袋を持ったんだ…よ?一緒…に…」
涙で呼吸困難になりうまく喋ることができない。

「だから言ったでしょ、まだまだ青いわね、って…」

リンの右手が僕の頬に優しく触れる。
そして笑ったかと思うと、だんだんとまぶたが下がっていき、腕の力が一気に抜け地面にぶつかった。

僕はただただ泣いた。

すると遠くから救急車の音と兄さんがあそこですと叫ぶ声が聞こえた。
それにパトカーの音も聞こえる。
顔をあげて音のする方を見ると、停車しているトラックの後ろから赤い光がチラチラ見えていた。

「あぁ、これで助かる…。」

そうつぶやいたあと視界が揺れ、真っ暗になった。
僕が最後に聞いたのはサイレンの音の中、自分が赤い水溜まりに倒れる音だった…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

天気雨【レン視点】

自分のコラボにぅpしたものです
以下コピペ。w←

これアウトですかね…
その場合は書き直します…!

このあとどうなったかは、ご想像にお任せ致します。w←
てか、ぐだぐだと意味不明なものをここまで読んでいただき、まことにありがとうございます…っ
簡単に言うと飲酒運転はダメだよ。とか、自分の言葉に責任もとうね。ってな感じです
こんだけ広くて見通しよくても事故起こるんですから。((多分…。←

バナナのせいでシリアスがちょっとうすれましたねwww
てか、もとはギャグ目指してたんですがいつのまにか…。

さて。ちょっと解説をいれると、兄さんが場所を知ってたのは、帰りが遅いのを心配して迎えに行こうとしたら(もしかしたらアイス買いに出掛けただけかもw)、たまたま事故現場を目撃☆みたいな。
ちなみに、運転手の配役は個人的にはLEONでした(ノ∀`)
MEIKO姉さんでもよかったかもしれないけど、一応トラックの運ちゃんなんで。。
普通のおっちゃんでもなんでもいいや((ちょ
まぁ、すべてご想像にお任せ致します(*´艸`)
ちなみに、レンが倒れたのは出血多量のせいだったからで、題名が天気雨なのは、晴れているのに涙の雨と、血の水溜まりができちゃったからです。とか言ってみたりー←


閲覧数:224

投稿日:2009/03/22 20:45:56

文字数:2,661文字

カテゴリ:小説

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