第7回目の講座は定位についてです。


定位は空間を作っていく上で大事な要素の1つです。
また、音圧の上げやすさなどにも関わってきます。


それでは音域ごとに定位を見ていきましょう。


まずは高域です。
前回でも述べましたが、高域は空間の抜けを左右します。
音のぶつかりを避け、楽器固有の良さを活かすため、パンを振りましょう。
左右に振ることで空間の広さも増します。
逆に高域をセンターにしたり、高域の楽器を使わなかったりすれば、左右にパンを振ったときよりも狭い空間を演出することができます。
楽曲の意図に合わせて試してみてください。


次に中域です。
中域は少し混み合ってくるところでもあります。
ボーカルやギター、ピアノ、スネアなどが被り、音が引っ込みやすくなりがちです。
楽曲にもよりますが、ほとんどの場合、ボーカルがセンターだと思いますので、その他の楽器を左右に配置し、センターに空間の余裕を持たせてあげるようにしてください。
そうするとボーカルが引っ込みにくくなります。
基本的には、高域より少なめでパンを振ります。
また、パン振りをしてもボーカルが引っ込む場合はエキサイター系プラグインを使用するのも良いでしょう。
エンハンサーを同義で捉える方がいますが、エンハンサーはイメージャー系プラグインです。


最後に低域です。
これも前回で述べましたが、低域はセンター配置が基本です。
低くなっていくほど指向性が失われていきます。
高域と比べて低域はどちらの方向から音が鳴っているかがわかりづらいということです。
定位の感じにくいものをパンで大きく左右に振り定位を無理やり感じさせると、違和感や不安定さを感じると思います。
なので、低域は基本センター配置なのです。


全体としては『中域から高域にかけて外側に向かって定位を設定し、センターに来るボーカルや低域を囲うようなイメージ』です。
ギターやシンセパッドなどの音壁を作る場合も外側に来るようなイメージで仕上げていきます。


音がぶつかりやすい低域は定位もセンターなので、非常に整理が難しい音域です。
これらは定位で解決しようとはせず、他のアプローチが必要です。
低域の整理については次回で詳しく解説します。


定位に関して理解して頂けましたでしょうか?
次回は低域の整理について解説していきたいと思います。

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MixTips #7 定位

ミックスとマスタリングに関する講座

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投稿日:2014/05/06 19:54:21

文字数:990文字

カテゴリ:その他

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