五月雨の露に躰を濡らしたまま
君の視線は今何処にある?
この森で生まれ育んできた情けの破片
何時しか君は破錠の眼光を持ち合わせていた
意志を持ち始めてようやく位置を確認し
意を決して曇硝子の情景を砕き割り去った
去りゆくがいい、帰路の時間は残されてはいない
懐かしむがいい、過去の記憶は確かにあったから
そして風化してゆく・・・君の頭から・・・
目の前に広がるは形去りゆく砂上の丘
渡り歩いても理想郷は遠ざかっていく
生命の水を吸い上げ朽ちてゆく太陽の塔
心の温かささえ氷を刺してゆく月下の宮
破片になってもかまわない・・・
全て消え去ってもかまわない・・・
私の選んだ道、
私の意志で、
私の言葉で
私の行動で
自分を表してきたから
この世界の歯車にならずにいれた
情報に流されず流れに乗っていけた
惨めな姿をみるがいい、これが私の誇りなのだから
形なき心をみるがいい、歪さが私の自慢なのだから
そして風化してゆく・・・君の躰さえ・・・
要領を得た君の記憶を意志の強さを
全て消去して新たな扉を指し示そう
君が再びこの地方を彷徨える浪漫人となるならば
その時には、浪漫導きし者として君の前に降り立とう
この世界が風化し終えるまで
全ての砂が宇宙へ解き放たれるまで
君が君であるように、自分を見つける機会を・・・
私は全ての者に浪漫の種を与え続けていこう・・・
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