傀儡人形と化した僕は、

真っ暗闇な時間(道)を独りで歩く。

飛び散った想いの欠片を道標に。

拾い集めても、元に戻らないことは解っているけれど。


鋭い先端が胸の傷を抉る。

滲んだ鮮血に解けた涙。

悲痛という火種の中を、純粋という素足で駆け抜ける。


喜劇を望めば望むほどに、やってくるのは悲劇だけ。

灰被るシンデレラ。泡になった人魚姫。目覚めない眠り姫。

僕も、その一人に名を連ねてしまうの?


太陽は、僕の傷痕をさらけ出してしまう。

満月は、僕の過去を仕舞い込んでくれる。


欠片を拾うたびに、記憶の君が笑いかける。

愚かだと嘲笑っているの?

過ぎた想いを捨てきれないこの僕を。

きっと、君はそんなものとっくに振り切って、

煌めきと輝きの中心でその笑顔を振りまいているのだろうね。


極彩の世界が淡く朧げになって、僕の心はまた、昔の灰色に戻る。

傷だらけの足を進める。満月を隠した闇が、僕を世界から隔絶していった―――

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  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

追憶ノカケラ

初投稿です。正直小説なのかその他なのか分かりませんが、お楽しみいただければ幸いかと^^

閲覧数:78

投稿日:2010/05/01 11:39:14

文字数:428文字

カテゴリ:小説

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