数日後。
 「安田教授。少しお話が…」
 「神波君のことかい?」
 「半分正解です、正確にはシンのミクちゃんに関する相談なんですが…」
 「彼女がどうかしたんだい?」
 「彼女がミクさんと話をしたいっている話です」
 その高野の話を聞いて、うなる雅彦。
 「…すいません、もうこんな提案は数限りなくされていると思いますが」
 「…その提案がどうなったかは当然知っていて僕に提案しているよね?」
 「はい、断られた話しか聞いたことがないです」
 そういわれ、うなる雅彦。この話は雅彦が独断で断っているのではなく、ワンオフのボーカロイド六人と話して決めたことだった。実際、プライベートでは二言三言口を交わすことはあるが、挨拶程度であり、それ以上深い話をしないようにしていた。この話が漏れると、状況によっては周囲には神波を特別扱いているように映るため、厄介なことになる。
 「理由は聞いたかい?」
 「シンが悩んでいるらしくて、それを見たシンのミクちゃんが問題を解決するための相談のため、ミクさんに相談したいそうです」
 (…神波君が僕に相談でも解決しそうだな)
 そう思う雅彦。神波の悩みが解決すれば良いのであれば、ワンオフのミクに相談する必要性は薄い。
 (とはいえ、僕も責任の一端はあるしな…)
 特定の誰かを特別扱いしないことは必要だと思っていたが、同時に雅彦自身も今回の話にかんでいるので、あまり無下にもできないと思っていた。
 「…とりあえず、ミクに話をしておくよ」
 「お願いします」
 とりあえずそういってお茶を濁す雅彦。雅彦自身は下策だと思ったが、話に乗った以上仕方がない。
 「…やっぱり、僕も人間関係の話は沢山聞いたけど、なかなか巧い方法がないね」
 「そうですね。実は、今回の件でレポッシュPにもシンに話をしてくれるよう頼んだんです」
 「…大丈夫かな?彼女を信じていないわけじゃないけど…」
 「俺は期待しています。加減も分かってるはずですし」
 「…まあ、高野君がいうなら、ある程度信じても良いと思っているけど…、こういうのは難しいからね…」
 「そうですね。ですけど、あいつは優しいですし、頭の回転も良いですから」
 「…レポッシュPさんが聞いたら赤面しそうだね」
 「慣れの問題ですよ。Pを始めてから、そんな言葉をあんまりかけられてないって言ってましたから。今は前よりは慣れてきたと思います」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章12節

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投稿日:2017/08/28 23:00:44

文字数:1,010文字

カテゴリ:小説

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