瞼を閉じてそっと胸の内で呟いた
分かってる、分かってる
これは勘違いなんだと、何度もそう言い聞かせて
結局わたしは逃げていただけなの
たった二文字の言葉を舌に乗せるのが
その感情を認めてしまうのが
怖かった、それだけなんだ
「好き」って言えたら君の隣にいられたかな?
隣で笑いあえることを許されたのかな?
あと少し、あと少し早ければ
君と未来を歩むことができたのかな
気付いたときには遅かった
君の隣には微笑む人がいて
あぁ、やっぱり勘違いだった、なんて強がって
やっぱりわたしは逃げていたの
認めてしまった感情を
喉元まで出た二文字を
消してしまいたい、それだけなんだ
「好き」って言えていたら君の隣にいられたかな?
強がることなく認めていれば笑いあえてたのかな?
苦しいよ、苦しいよなんて
自業自得なのにね
簡単で難しい「好き」って言葉
意地を張らず認めてしまえばよかったのに
なんて今更言ってももう遅い
未来は変えられないのだから
君の隣には違う人がいるけれども
わたしはもう逃げないよ
幸せそうに笑う君に
ありったけの笑顔で今言うよ
これで終わりにするよ、わたしの恋を
「君が好きでした」
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