A
音楽も届かない海の底
孤独がくれた時間を抱きしめて
空腹に耐えかねて手を伸ばす
ぼやけた月を破って顔を出す

B
空気を吸って吐いての繰り返し
味のしない食事を転がす
見えない心を探って空回り
おぼつかない地面に立ってる

S
誰でもいいからさ僕を歌ってくれよ
言葉に出来ない澱みを昇華して
裸足でいいからさ朝へ逃がしてくれよ
喉元つかえる痛みを淘汰して

A
人間のふりをして踊るけど
掴んだ泡は弾けてなくなって
芸術は代弁と同じだと
似ている色を探してしまうから

B
心を描いて捨てての繰り返し
シワだらけのスケブに落として
冴えない頭で藻掻いて死にたがり
軋む声でマイクを持ってる

S
一度でいいからさ夢を見させてくれよ
弱さで選んだ答えが苦くてさ
歪んだ風景がエゴを取り立ててくる
水仙抱えて雫を落としてく

S
誰でもいいからさ僕を教えてくれよ
身体を持たない濁りが漂って
裸足でいいからさ夜を剥がしてくれよ
奈落に落とした涙をすくってる

誰でもない僕の歌を歌ってくれよ
失くした言葉を紡いで息吹かせて
何でもいいからさ声が届けられたら
震える喉から祈りを吐いている