枯れる為に咲くならば
気付かなかった事にしよう

土砂降りだけど
傘はわざと置いてきたんだ
枯れそうなこの心に
水が欲しかった

あの日
君がくれたものが
いつかかけがえのないものになって
失うのが怖くて
勝手に逃げ出した

“君じゃなくても”
飲み込んだ嘘と
代わりに浴びた雨は
ねえなんかしょっぱいよ

枯れる為に咲くならば
気付かなかった事にしたい
だけど嘘吐き
心の奥には今日も君が居る

土砂降りだから
きっと君は傘をさすだろう
その隣にはきっと
僕じゃない誰かが

淡いピンクが似合うその子は
僕とは似ても似つかないや
可愛い笑顔の隣で君は
優しく微笑むから

“僕じゃなくても”
零れた弱音に
残酷なほど優し過ぎる君は
振り向くの

“濡れるよ”傘をさすなら
君が僕を潤して
だけど我儘過ぎるから
雨音が全部かき消した

いいよ傘は持ってるんだ
忘れたなんて嘘だから
大丈夫泣いてないよ
明日は晴れだといいな

枯れるだけの花だけど
いつか君に気付かせたい