コンビニで買ったジュースを溢した
放課後6時の駐車場
彼はゆっくり瞬き言った
声にならない五秒間
もしも昨日の日長の時間が
今ほど確かに感じられたなら
この煤けたノートの中身
君はきっと彼を知れたろう
もやに霞んだ美しの君は
灰を被ったガラスの姫さま
ゆらりオレンジ揺らいで掻き消え
親指小指の跡ふたつ
二日早売りマガジンラックに
集りぐずぐす並んでたんだ
きっと君ももうすぐ来るだろ
少し間の空く五分間
秋の匂いと降る橙色
金の季節を君は好んでた
だから一言添えた押し花
彼はきっと
もやに霞んだ美しの君は
灰を被ったガラスの姫さま
ゆらりオレンジ揺らいで掻き消え
親指小指の跡ふたつ
もやの向こうに霞んで消えてく
灰と朱とに君は見えない
ゆらりゆらゆら行く影の君は
きっと夢だろ僕は目を閉じる
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