A
嗄らしあった夏は いつか消え
果てのない冬の 空を飛んでいる
明るい夜に 一人 灯りを掲げる蛍
A
白い枝先から 飛び立てば
雪が散った 窓から漏れている 光を映した
遠く 笑顔を交わす声
B
真っ白な 憧憬に 立った時には
思い出はもう 残らなかった
S
死ねなかった僕を
嫌になるくらい受け容れた季節と
赦せない心を
風景に混ぜて 眠ってしまおう
A
きっと この一夜すら 越えられない
明日を夢見ては 身体を抱き留める
代わりに朝を もう 氷に閉じ込めて
B
なぞる指先に 伝わる鼓動と
募る孤独に うつむいた僕だ
S
死ねなかった僕を
どうして包み込む世界と
拒んでしまう心が
風景に溶けて 踊っていたんだ
C
どうにもならないことに
取り残されていたかった心を
もう帰れないと知って
なおも焦がれてしまう心を
かじかんだ手が 強くハンドルを握る
乾いた頬に 一筋の彗星
S
死ねなかった僕を
嫌になるくらい受け容れた季節と
赦せない心を
風景に混ぜて 眠ってしまおう
白い雪染める 単純な命を燃やしては
形ない心を 太陽に透かして飲み込んでしまうよ
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