悪魔の巫女 【SS】

投稿日:2008/07/05 14:15:12 | 文字数:1,170文字 | 閲覧数:243 | カテゴリ:その他

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応募用歌詞 悪魔の巫女http://piapro.jp/content/6oj3s8ptnugnwv8j
の世界観・ストーリーをSS(ショートショート)にしてみました。
自己満足ではありますが、楽しんでいただけると幸いです。

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TEXT
 

……むかし、むかし。
あるところに、漆黒の翼を持つ天使がいましたとさ。

天使はまるで自分の居場所を探すように、
毎日のように下界におりて、人間達を見つめていました。

これは、そんな天使の、ある日の、お話。





―――ひらり。

「あ」

黒い翼から、一枚の羽が落ちた。
…それは仕事の時間の合図。


私は悪魔の巫女。
人間の言葉でいうのなら、『死神』といったところだろうか。
落ちていく羽に導かれて、死にそうな人間のところへ行き、
人の器から離れた魂を狩り、蒼穹へと連れて行く。

…けれど、良心など痛まない。
私には心などないのだし、なにより私が相手してきた魂はいつも囚人や罪人ばかり。


最初の仕事相手は、脱獄囚の魂だった。
脱獄したのはいいものの、深い森の闇に囚われて結局餓死した。
10年以上牢獄にいた囚人には夢などなかったし、酔いもすっかり醒めていた。
私の姿を見て小さく震えながら「死神だ」と一言呟くと、魂はその器を後にした。


前回の仕事相手は、海賊の魂だった。
何人もの命を奪って海に揺れていたけれど、結局自分も蒼い海の底に沈んでいった。
海賊の服には血の匂いが染み付いていて、当人はかなり泥酔していた。
私の姿を見てにやりと笑みを見せると、「天使だ」と言ってその器を後にした。


こんな狂った人間達の魂を狩るのに、躊躇いなどいらなかった。
今日の相手は誰かと目を凝らせば、羽は予想外の場所に落ちた。

「病院…?」

其処は、真白な壁と輝く硝子の窓に包まれた病室だった。
様々な医療器具に囲まれたベッドの中では、美しい少年が眠っていた。
黒い羽は感情も持たずにその少年の脇に落ちた。

「…ただの病人じゃない…」

少年は、今まで相手をしてきた囚人や罪人ではなかった。
不治の病に侵されて眠っている、不運な人間だった。
ずきん、と、心が痛む音がした。

「…ごめんね」

そう呟いて少年の額に唇を落とすと、少年は静かに瞳を開いた。
少年の周りでは奇跡的な回復だと医者達が驚いていたけれど、
少年は私だけを見つめていた。
…そして、

「悪魔」

と一言呟いて、私を睨みつけた。
もう一度その少年の額に口付けると、少年は息を引き取った。
私は浮き出た魂を抱えて、蒼穹に放った。



―――リン、リン。

冥界に、静かな鈴の音が鳴り響いた。
これは新しくこの世界にやってきた魂を迎え入れて起こす音。

「…あの男の子も、きっと起きたよね」

声をかける相手も無く、私の言葉は風と共に消え失せた。

…あの少年は、まだ私を覚えているのだろうか。

そんな小さな疑問が頭の中を廻らせた。
なんとなく子守唄が聴きたくなって、私はかすかに唇を開いた。



――眠れないこの世界に、子守唄など存在しないはずなのに。

色々間違った方向に進んでます。

ピアプロには歌詞・イラストのみの投稿です。
現在某コラボ様で音作りに励み中。

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