全てが、急速に変わる―――。
【炉心融解 二次作】
都会の灯りがギラギラと、私を照りつける。
ある時は、華やか。
だが、今日は、頭に来るほどギラギラして、今にも倒れてしまいそう。
午前二時。
眠れないと、家を飛び出してきた。
いつもの事だ。
昼間に打った麻酔が、体の中で冷たく反応している。
「・・・・もう、切れたの・・?」
短いデニムパンツのポケットから取り出した、タバコとライター。
これで、少しはと思ったのに・・。
「・・・・・・チッ・・オイル切れ・・薬は無いし・・・。」
頭の中が、一瞬にして真っ黒になる。
もう、壊れてしまいそう。
「ああぁぁぁあぁぁああ!!!!!!」
苦しい。
はぁはぁと、荒い息を上げた。
意外と、薬には弱いのだ。
なのに、手を出すなんて、馬鹿みたいだ。
でも、何でなのかは分からない。
自分のコントロールができていなかった。
「・・うぅ・・・。」
「お譲ちゃん・・・こんな、真夜中に何してるの?」
低い声が、がんがんと、頭に響いた。
「ん・・・・・」
上から、大人の声がする。
警察では無いだろう。
いちいち、未成年者を取り締まってたら、限が無い。
たぶん、いつものアレだろう。
世間の言う『ワイセツ』ってやつ。
上を見上げると、大学生くらいかな・・柄の悪そうな男が立ってた。
声をかけてきた人は、紫の髪に、ポニーテール。
結構、かっこいいかな。
染めてるみたいだし。
まぁ、そう言っちゃうと、私も染めてるんだけどね。
しかも、中学生にして金髪。
「お兄さん達と一緒に、楽しい事しない?」
・・・やっぱりね。
楽しい事もないし、行ってあげてもいい。
それでなくても、こんなに大きな人なら逃げられないだろうけど。
「朝方までだったら、いいよ。」
「そう。じゃぁ、行こうか。」
ひょいっと、私を持ち上げて、連れて行くのはいつもの場所。
もう、すでに右手が胸元に来ていた。
――――――――――
「・・くぅ・・・。」
それにしても、多いな。
『頼んだら断らない中学生』って噂になってる私。
最近は、二日に一回の割合で、男と遊んでる。
もう、そんなに広まったんだ。
嫌らしい笑顔を浮かべる男。
普通に、中学校生活をしていればこんな経験はしない。
でも、私は違う。
父も、兄達も、私自身も、不良。
喧嘩上等。
普通の生活は、送れない。
いじめにも手を出し、見つかるとするりと抜ける。
仲間だったやつらは、全員停学。
残ったのは私だけ。
その上、男遊びにも手を出して、今ではこの始末。
だけど、強力な避妊薬を服用してるから、コレといった問題は無い。
しいて言えば、その薬かな。
あの日以来、私に怖いものは無い。
だから、麻薬だって怖くなくなったんだ。
怖いのは、唯一つ。
あの日に起こった、あの人との、あの記憶。
それ以来、怖いものなんて何も無い。
だけど、いつアイツが戻ってくると・・・・・
「あぁ・・ん・・・っ・・!」
「クス・・・慣れてるね。」
「・・悪い?」
「悪くないさ。」
「・・・・・!!」
「・・・く・・ぅ・・。」
男は、にやりと笑った。
「本当に断らないんだな。男のおもちゃになるなんて、怖くないのか?」
「別に・・・。」
別にそんなの怖くなんか無い。
だけど・・だけど・・・だけど・・・・
アイツダケハ・・・・・・・怖イ・・・・・・
「そういえば、名前は?」
「私?私は、リン。鏡音リン。」
「もしかして、ボカロ学園中等部2年の鏡音リン?」
「そうだけど・・・。何で知ってるの?」
「俺は、ボカロ学園中等部3年の神威がくぽ。」
「一緒の学校なのね。」
「でさぁ、俺、リンの事気に入った。付き合わねぇ?また、愛し合おうぜ。」
「・・・・・・・別にいいけど・・・・・。」
「じゃぁ、決まりな。」
がくぽは、仰向けで無防備な私に、熱い口付けをした。
「・・・・ロリ・・。」
「くっ・・・、じゃぁ、皆には秘密な?」
「いいよ。」
何度あったか。
一度寝ただけで、好きになっちゃう馬鹿な男。
けど、薬の代わりにはなったから、まぁいいと思う。
元々かっこいいと思ってたし・・・。
そして、二人で、その高層ビルを出た。
午前七時の出来事。
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