“何億万人の中の独り”
命の意味はそれしかないのに。
どうして、特別に成りたがるんだろう。

何億光年も繰り返し、
命の巡りは途絶えやしないのに。
どうして、終わらせたがるんだろう。

腐った人生をやり直したところで、
また腐った人生しか歩めないのに。
意味もなく絶やす、絶やす。
幸せな人生など何処にもないのに。
不幸なふりして殺す、殺す。

割れてしまったモノだって、
継ぎ接いでけば形は戻るのに。
どうして、中まで修復（なお）したがるのだろう。

欠片を無くしてしまったら、
形すら戻すことができないのに。
どうして、探すことすらしないんだろう。

大事な人生を捨ててしまったって、
火曜の燃えるゴミでしかないのにな。
綺麗事で包んで、捨てる。
フィクションを夢見たところで、
眠ったまま消えて、消えて。

最期まで独り、独り。
こんなことすら、誰も聞いてない。

腐った人生を、やり直したところで、
また腐った自分に戻るだけなのに。
分かっていながら笑う、笑う。
不幸せは特別と勘違いしてる。
分かっていながら生きている。