「あぁ!? また負けたぁ!」
「・・・ホワイトさ、いい加減諦めなよ。もう十回以上やってるぞ?」
「やだ! 何かブラックに負けるの悔しい! もう一回!」
 ハァ、と溜息をつき黒髪短髪の少年―ブラックの申し出を黒髪をポニーテールにした少女―ホワイトは見事に断った。
 因みに、二人がしているのは腕相撲。ホワイトはブラックの手を握りながら「今度こそ!」と意気込んでいる。そんなホワイトの様子にブラックは内心で溜息を付いた。
 同年代の女子よりも少し身長が高めのホワイト。ホワイトは家庭の事情の為、男装をして日々を過ごしていたが、もう男装をしなくても良い、と言う父親の言葉に従い、ちゃんと女子として生活をしている。
 一方、ブラックはと言うと、此方も家庭の事情の為、女装をしていたがもう女装をしなくても良い、と言う母親の言葉に従い、ちゃんと男子として生活をしている。
 そんな、かなり似た境遇の二人が、何故腕相撲をするなどと言う事になったのか。話は十数分前に遡る。

「・・・ブラックってさ、腕っ節強い?」
「はぁ?」
 ホワイトの急な問いかけにブラックは訳が分からない、と言う顔をありありとホワイトに見せた。
「何だってまたそんな話に・・・」
「いや、あたしの周りさ、あたしより強い子いなかったんだもん。ファイアさん以外は」
 ホワイトの言葉にブラックは納得した。ホワイトは見た目の柔らかさとは打って変わり、実はかなりの格闘少女だ。幼い頃から中国武術を習っており、今でも鍛錬は欠かさずに行っている。その腕前はかなりのもので、後ろから近付こうものなら裏拳を繰り出され痛い目を見る。実際、この動作をほぼ無意識に行っているのだから恐ろしいものである。
 そんな彼女の師匠とも言えるのはファイアと言う女性で、長い銀色の髪と炎の様な赤い瞳を持っている。ファイアの実力は相当なもので子供二人を抱える事は勿論、掴み方は少々荒いが大人子供関係無く四人抱え、そのまま行動する事も可能な程だ。
 そんな師匠に教わっていた訳だから、ホワイトは強い。同年代は愚か下手をすると大人でも倒せる位、強い。しかもファイアの影響からか服の細部に暗器を隠し持つのは普通の事だとごく最近まで信じ込んでいた程である。
 つまり、ホワイトの言いたい事はこういう事である。
「自分よりも強い人が欲しい、てか?」
「そう」
 ブラックの言葉にホワイトは実に素直に頷く。その様子にブラックは深く溜息を付いた。いや、自分よりも強い人が欲しい、て言うのは分かる。分かるけど、ね・・・。
「もう少し女の子らしくなんねーのかな・・・」
「? 何か言った?」
「いーや、別に」
「?」
 少し納得がいかなかった様で首を傾げていたが、直ぐに持ち直すと
「て事でさ、試しに腕相撲しようよ!」
 とホワイトが言いながらブラックの手を取ったのが始まりである。

「あう! また負けた!」
「なぁ、ホワイト・・・」
「あ~ん、悔しい! 何で勝てないの? ブラックなんか何もして無さそうなのに!」
「ブラックなんかて・・・酷いな、おい・・・」
「だってそうだもん! それとも何、ブラック何か習ってたの!?」
 今にも掴みかかって来そうな雰囲気のホワイトを宥め、ブラックは一つ息を付く。そして、
「中国武術、と空手」
 息をする様にごく自然に、そう言った。ホワイトの目が大きく見開かれる。
「え・・・? う、そ? あたしと同じの!? しかも空手も!? うわ、良いな良いな! ねぇ、誰から習ったの!?」
 キラキラと目を輝かせ、ホワイトは ズイ、とブラックに迫る。ブラックはその分後ろに下がる。
「行き成り喰い付いて来たな!? 誰からって・・・ホワイトも知ってる人だよ」
「あたしも知ってる人・・・?」
 ピタリ、とホワイトの動きが止まり、思考モードに入る。ブラックは胸元を押さえ、ハァ、と安堵の溜息を付いた。
「ん~・・・。誰だろ・・・? ファイアさん? な訳無いし・・・」
「その訳無い人だよ」
 え ホワイトの動きが止まり、ブラックをじっと見つめる。ハァ、と溜息を付いて再びブラックは言う。
「だから、ファイアさんだよ。俺が習った相手は」
 たっぷりと、十秒経ち。
「・・・え、本当に!? うっそまじ!? え、え、て事はファイアさんあたしと平行してブラックに教えてた、て事!? うわ、初耳!」
「だろうな。そして初耳なのはそうだろ。俺だって今、初めて言ったんだから」
「う~・・・。でもでも何か悔しい! 同じ人から習ってたのに何であたしブラックに負けてるの!?」
 男の人にも負けた事無いのに! ファイアさんとエントリッヒだけなのに! あたしが勝てない相手! ぶつくさと文句を言うホワイトにブラックは淡々と言う。
「そりゃそうだろうな」
「何で!?」
 再び ズイ、とブラックに近付くホワイト。もうその様子に諦めでも入ったのかブラックは再度深い溜息を付くと
「だって、同じ人から習ってたんなら、同じ力量になるのは分かる。でもさ、個人差もあるけど、その前に、俺は男でホワイトは女じゃん。其処で、差は多少なりとつく筈だろ?」
 そう言った。一瞬、ポカンとした表情になったホワイトだが直ぐに持ち直すと
「それでも! それでもブラックには負けたくない! 何か悔しい! もう一回!」
 そう捲くし立てるのだった。
「まだやるのかよ!? 懲りないな、ホワイトも・・・」
 ハァ、と溜息を付きながらも内心で喜んでいる自分がいる事に、ブラック自身が驚いていた。

 ~数十分後~
「あぁ! また負けた! もう一回!」
「・・・なぁ、ホワイト。もう良いだろ? 百回以上はやったぞ?」
「駄目! ブラックに勝つまでは何回でもやる!」
「・・・・・・」
「あ、手加減は無しだからね!」
「・・・はいはい」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

もう少し女の子らしくして下さい

ボカロのネタが無いですいやっふぅ←
此れは拙宅ブラホワですね。でも大丈夫、ポケ○ンだって言ってないから!←
でもマイナーなんだよなぁ・・・。少ないんだよなぁ・・・
けど「マイナーこそ王道だ」と言う誰かさんの言葉を受け頑張っていこうと思います←
取り合えず私は主人公CP推奨です←

危なくなったら消します。

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閲覧数:344

投稿日:2011/03/21 18:30:05

文字数:2,404文字

カテゴリ:小説

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  • 囮 

    囮 

    ご意見・ご感想

    僕も腕相撲強いよ!
    高校生の先輩に余裕で勝ったよ! わぁ、今の話で乙女度下がったよ!←

    僕のお兄ちゃんも手出したら裏拳繰り出してくるよよ(・ω・
    怖いったらありゃしない(笑)
    場合によれば木刀向けられるかもしれないし(笑)
    いや、そんな人じゃないはずなんだっだだ…
    実際はちゃんと寸止めしてくれるから優しいんだけど(笑)
    たまにあたるけど(笑)←

    2011/03/21 18:55:25

    • lunar

      lunar

      やっほ^^ 
      うわ、凄いな! 私握力弱いから腕相撲も駄目なんだよね・・・
      でも誰かに危害を加える時には握力強くなるから不思議だよね^^← 何だっけ、ほら、相手の頭蓋骨上部を片手で握りつぶす奴、あれ痛いって評判だよ!←誰からの

      そうなんだ、其れは怖いね・・・
      何で木刀!? うちにはお父さんが野球やってたから木製バットがあるけど!←
      寸止めって結構難しいと思うんだ・・・ てかやられる方も恐いよね・・・
      当たっちゃうんだ(苦笑 それは痛い

      メッセありがと♪ また来てね♪

      2011/03/21 19:19:10

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