…――時刻、AM.7:00。場所、人通りの多い駅前広場、モニュメントのベンチ。設定、監視モード、カメラ及び集音マイク、良好。天気、雲一つ無い晴天。実験開始――…

『ねぇ、本当にこれで判るの?子供や女性ばっかり集まりそうな気もするよね。』
『男でも居るかも知れないじゃないか!一々煩いよ!』
『あ!ねぇ、誰か接触してる!ほら!』
『モニター切り替えて!マイクも!』

「…捨てリュック…?」
「あ、可愛い~。」
「流船!聖螺!何してんだ?遅刻するぞ!」
「頼流、何かリュック落ちてた。」
「リュック?んー…重過ぎるな…目にカメラ仕込んでるしどっかの馬鹿が盗撮でも
 してるんだろ、置いとけ。」
「はーい。」

『ねぇ見破ったよ?!』
『何者…?』
『あ、また…ってめちゃめちゃ開けてるし!まぁバッグの所は大丈夫だけど。』

「チッ…財布入ってないのか…。」
「ゼロ?何してるの?…あ、ネコ…。」
「財布無かった。」

『ある意味普通の反応…?』
『男の方かなり躊躇無かったぞ。』

「何これ?猫?」
「鈴々、マジックとか無い?ものゴッツイ眉毛とか書きたい。」
「駄目だよ、忘れ物かも知れないし、可愛くなくなっちゃう。」

『ものゴッツイ眉毛?誰かマジック渡して来てよ、見たい。』
『止めとけ。』

「…つんつん…。」
「コアー?行くよー?」
「…つんつん…。」
「何やってんの?」
「…つついてた。」

『うーん微妙なリアクションだなぁ…。』
『突かれてもどうしたらって話だね。』

「フンフンフーン♪」
「ヤクル、何をしてる?」
「カメラとか色々仕込んであるからバラして貰って帰るんだ♪」
「遺失物として警察に届けろ。」
「もーぉ、ハレル頭固い!良いや、要ーらない。」

『色んな意味で危ないガキだな…科学班なら有望だけど。』
『そう言えばさっきの眼鏡も見破ったっけ。』

「猫かぁ…子犬ちゃんが良かったなぁ、でもレクに良さそう。えいえい。」
「イコー?早くー!」
「はぁーい!」

『レクって人間かな?』
『大型犬とかだったら一瞬でボロボロだよな。』

「もしもーし、ああ、今日アザラシが健康診断の筈なんで…はい…はい、失礼
 しまーす…ん?ん~?…こいつのかな?」

『何の会話だろ?アザラシの健診?動物園?』
『あれ?でもあの人何か弄ってるよ?落ちてたリボン勘違いして結んでる。』
『本当だ…お茶目…?』

「じー…。」
「芽結~!ごめ~ん!寝坊しちゃって…どしたの?」
「目が合った。」
「目?あ、猫リュックだ、可愛い~リボンしてる!」
「ウチで飼う!」
「え?え?持って帰るの?!落し物じゃないの?!」
「それはその時考える~♪」
「待ってよ~!」

『え?!持ってくの?!』
『ちょっ、ちょっとまずいって!』
『データ取れたしあの子で良いんじゃないか?可愛いし。』
『それにしたって事情を説明しないと~!』
『はいはい、じゃ、行きますか。』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

コトダマシ-1.じゃ、行きますか。-

行きますか。(・∀・)♪

閲覧数:252

投稿日:2010/10/08 16:09:43

文字数:1,227文字

カテゴリ:小説

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