「みゃーん」
学校から自宅に帰る途中、真っ白な猫を見つけた。
段ボールには『もらってください』といかにも『捨てました』みたいな文字が書いてある。
「そっか、お前も独りぼっちなのか…」
そういって、青い髪の美少年は家まで連れていった。
彼は一言でいうと天涯孤独だ。
母は彼が小学生の時に病気で亡くなった。
それからは父が彼を育ててくれていた。
しかし先月、事故で他界した。兄弟もいない彼は天涯孤独になってしまった。
「カイト君じゃない!?」
「なにしてんの~?」
寄ってくる女の人はいる。
しかし、彼女らは彼の『顔』目当てだ。
「別になにも。」
「あ、可愛い~。カイト君ん家の猫?名前は?」
とっさにこう答えた。
「ルカ…」
「へぇ、可愛い名前~」
←→←→←→←→←→←→←
「ルカ、ご飯だよ。」
訂正するのも面倒なので、その猫をルカと名付け、家で飼っている。
「にゃぅん?」
彼にとって、ルカと過ごす時間は何よりも楽しかった。
「こら、顔舐めるなって。くすぐったいだろ。」
彼が笑顔で過ごせる、唯一の時間だった。
「ルカ。」
「にゃー」
こんな日々が1ヶ月続いた。
「ルカ、ただいま。きょうはルカが好きな猫缶…」
ルカが…死んでいた。
「ルカ!?…ルカまで…俺を1人にするのかよ…!?」
楽しかった。ほんの少しの時間だった。
「ルカ…っ…!!」
←→←→←→←→←→←→←
「……」
ルカが死んでから彼は部屋に閉じこもっていた。
もう何も失いたくない。
そう思ったが、やっぱり空腹というのには逆らえない。
「…買い物…してこようかな…」
←→←→←→←→←→←→←
ルカを見つけた道に白い猫がいた
「――ルカ?」
「もう、どこも行っちゃダメだよっ、ルナ!!」
女の子に抱えられてその猫は帰っていった。
「ルカじゃ…ないじゃん…」
「呼びました?」
「え?」
「いや、今『ルカ』って…」
綺麗なピンク色の髪。
「あ…ルカは…俺の飼い猫でした。」
「やだっ、私勘違いしちゃった!!」
恥ずかしそうに頬を染める。
「ルカさん…ていうんですか?」
「はい」
その女性は何処と無くルカに似ていた。
「似てる…」
「え?誰にですか?」
「“ルカ”に似てるんです…」
「そうなんですか?もしよかったら、その…ルカちゃん?のこと、教えて頂けませんか?」
純粋無垢な笑顔だった。
「…はい…!」
何故かこの人なら心を許してもいいかなと思った。
それは捨て猫・ルカからの恩返しだったのかもしれない。天涯孤独の、彼を救うための―――。
fin.
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ご意見・ご感想
魔熊
ご意見・ご感想
感動した(T-T)
カイト、良かったね(ToT)
一体なんなの、その文才!!私にも分けて~!
2011/04/23 20:57:46
檸檬飴
ご意見・ご感想
カイト良かったね(*^^*)
最初、どうなるのかと思ったよ!
感動したよ(>_<)
2011/04/23 19:21:59