「幸宏さん、貴方は歌うことについて、間違った解釈をしています」

 振り向き様の幸宏の足は止まった。

「幸宏さん、以前私に『歌を歌う者はそれなりの歌唱力が必要だ』と教えてくれましたよね? 確かに、それは一部正論だと思います。ですが『音痴は歌う才能は皆無であり、クズだ。上手いヤツだけが良い歌を届けられる』とも言っていました。そんなことはないと私は思います。貴方は歌うことの本当の意味を分かっていません」

 幸宏は振り向き直し、再び玄関の前に立つ。

「歌が上手ければ全て良い? それは違います。音程が狂いやすい人だって、音痴の人だって、歌うことが好きであるならば歌うことは許されます。たとえ才能がなくたって、歌うことが楽しいと思えばそれで良いじゃないですか。たとえ歌うのが上手くても、歌うことが楽しいと思わないと、感情が篭っていないと、意味がないじゃないですか!」

 ミクの口調は段々熱気と怒りが含んでいき、今まで持っていた幸宏の持論に対しての不満を鋭く指摘したのだった。

 すると突如玄関のドアが開き、ミクの胸倉が捕まれる。

「お前、偉そうにそうずけずけと口が回るもんだな。いつからそんなに偉くなったんだ」

「私は偉くありません。ですが幸宏さんの考え方に違和感を覚えたので言っただけです」

 ミクの瞳は揺るがない。幸宏に怯えない、確固たる信念が屹立していたのだ。

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  • 非営利目的に限ります
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Fragile angel 15

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投稿日:2010/11/02 02:11:59

文字数:589文字

カテゴリ:小説

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