硝子越し　あたしを見る瞳　澄んだ水
一瞬だけ見つめあえたの　心が弾んだ
水草が　足に絡む　伸びる腕
そっと掬い上げたの　あたしの身体を

「この世界で　生きるから」　実らぬ恋は腐るだけ
苦しんで　息ができなくて
深い　水の塊に　溺れてしまう

救われた姫は　幸せになるのでしょう
浮かぶ餌に　食らい付いて
大きくなったら　どうなるんだろうね
あたしは息する

焦らし殺し　あたしを見る目だけ　少し変
前とは違ったようでした　心が軋む
割れた水槽　穴が開いた　流れる水
逆流するそれは何？　あたしの心？

「もう一緒で　居られない」　打ち上げられたその身体
苦しんで　息ができなくて
乾いた　地上で　死んでしまう

巣食われた姫は　死合わせになるのでしょう
朦朧する　頭　身を委ねて
多くなったから　捨てられるんだろう
あたしは息した

途切れた意識の中　思ったの
「人と　あたしは　恋仲にはなれない」
今更気付いた　バカみたい
あたしは笑った　目を閉じて
すくわれた姫のように