空っぽな間奏
書けるもの 僕だけが持てる鈍色
ずっと探してる
衝動 4分33秒間
僕がいる
僕がいる
僕がいる


前倣うもぬけの体に意味なんてないと歌いたい。
苦楽はなく頭もなく爪の先まで同じく。
存外どうだい正体、飛んじゃってみたい?
大層に語り行かれる割には僕ら案外脆い物。

「おとうさんとあそびたいな」だとか、
「おかあさんにまたあいたいな」とか、
二十三時すぎの寝言みたいな戯れ言は捨て去って。

永遠、青春ぶった大人たちの夢の延長上、僕らいる。
「一人一人が特別なんだ」
サクラ、サクラ、
ああ、馬鹿みたい。
何千何万何億の曇天のひとひらに過ぎないさ。
たとえば今、約数秒の浮遊感に心だって捨てたい。


めがさめる めがさめる ぼくはどこ? だれがため
なにがいる? あれはなに? めがさめたそこに
「不運な子だね」


「この世にはいつも椅子が一つ足りない」
と煙管吹かしている
余白に吐く孤独は毒 そこに棲む怪物の僕
「わかんない」
「そうかい」
不快感
「どうしようもない?」
煙った視界の奥から一言
「君は器になれるでしょう」

「おとうさん、ごめん、ごめん、ごめんなさい」とか
「おかあさん、ぼくもつれてって」とか
くるしさもぜんぶ うそみたいで
しらないだれかの ことみたいで

いろいろいろにそまってくぼくの
うちがわ ひとつ そまらないばしょ
すんでいる すんでいく
ただ こころのおく
あめのおと

「君だ」
人間ぶった僕の心 春の先端で君が泣く
消えないで 散らないでいて
桜 桜
夏 来ないまま
何万何億分の1 僕の代償は重たすぎた
今はただこの絶対零で
君を眺めてるばかりだった


執着と忘却で回る世界
人生希う霊の後悔
遅すぎること 早すぎたこと
命と呼ぶにはあまりに不器用だ

さよならで全部終われないから
誰かのペンはまだ書いてるから

この物語はあなただけのものじゃない


青春ぶった大人たちの夢の延長上、僕がいて。
脇役ばっか気取って泣いていた馬鹿な桜の霊。
ねえ、消えないで、散らないでいて。
願いは愚かで虚しくて。
ああ、もう、もう、


「もういいよ」
人生ぶった僕は笑う。目を見開く君が立っている。
泣かないで、もう泣かないで。
僕は、僕は、
そこに生きてるよ。
何千何万何億の花の曇が紡ぐ物語、
4分33秒間世界の一節がここに終わった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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サクラノレイ

東の棚、16段目、端から29番目。
1冊目、桜野零の物語。

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投稿日:2022/06/05 00:09:20

文字数:1,000文字

カテゴリ:歌詞

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