「あるところに女がいた。」

【女性】
わたし…わたし…あなた…ワタシ…
終わり、分からない涙の音色
止まない 雨の粒が痛くて冷たくて
茶色のシックなコートアタシを包んで
かりそめの温もりだけど、
少し嬉しかった
雨の粒が生命線を伝って流れて落ちる

「またあるところに男がいた。」

【男性】
灰色に曇っているあの空一番星探す癖の君、
今日は残念だね
でも大丈夫かな? 今のきみには見えるかな
きみも星の一部になったから 
涙をこぼして歩いていく先、一体何があるのかな?
今のぼくには何も分からない 何も見えない
真っ黒なアスファルトに寝そべってみた

「喪失の空に隣色の温もりを拭われた二人。
 音無の声色はやがて、二人の間に線路を築いた。
 そして胸に秘めた声、その呼び声に呼応するかの様に、
 二人の運命が廻り出す。」

――ページの開く音――

【男・女】
僅かな痛みと冷たさが温もりを奪う
それなら一緒にこのまま眠って、君のいる世界にと望んだ
それでも廻り 月が廻り 星も廻る 空が廻り 気付けば自分が廻る
何色の景色をぼく(わたし)は見つめていたのかな
それさえも今はもう分かりそうもない
交わす言葉が傷を生んで、やがては静寂と愛し合う
それならぼく(わたし)に言葉はもういらない
ずっと陰る空の下
灰色になるまで
何もしないでただそこにいるから
喪失の果てで手にするモノを探し求め、歩き続け、
それが孤独でもそれも路の1つ
ずっと陰る空の下で
灰色になるまで
何もしないでただそこにいるよ
まだ見えない、心の線路で
もし出会ったらお話をしよう

「きみ」と「ぼく(わたし)」が巡り会うその世界を胸に描きながら

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

線路の話

普段何気なく使う「ぼく(わたし)」と「きみ」という代名詞に
何かストーリーを付けたいという矛盾した欲望の末に出来たソレ。
考察。なぜぼくときみは出逢うのかみたいな。
   なぜぼくときみは代名詞になったのか。みたいな。

閲覧数:43

投稿日:2011/02/22 23:35:45

文字数:712文字

カテゴリ:歌詞

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