「そして、姫と王子は幸せになりました、めでたしめでたし」
ワイン色のドレスを纏った女―醜音ルナ―はそう締めくくり
手にしていた絵本を閉じた
足元では犬のように座る束縛具に身を固め
顔を片目以外包帯で覆われた男―BAKUTO―は
もう一度とねだるように体全身をなすりつける
「あらあら、まだ読んでほしいの? だーめ」
頭部を優しくなでるとBAKUTOは小さく唸り声をあげながらも
四つん這いのままルナのもとを離れ扉へと顔を向ける
少しするとノック音が聞こえ、そこから現れたのは長身の男だった
長く伸びる髪は雪よりも白い、口元は布で覆われている
群青色の瞳は静かにルナを見据えて頭を下げる
「ジン、もうそんな時間なの?」
無音ジン、その名を持つ彼は頷きルナに近づくと手のをばした
まるで姫を導く王子の如く
ルナは微笑みを浮かべその手を取り、BAKUTOを横につけ部屋を出た
廊下に出ると両手を組み震えている人影をあった
月光がその横顔を映し出す、ジンと同じ美しい白銀の髪を背中に流し
群青色の瞳が涙にぬれている、無音シズネ、ジンの姉だった
「さぁ、行くわよ」
月光に照らされたルナのワイン色の瞳が怪しい光を宿らせた
足元で戦闘を這いつくばるように歩くBAKUTOもまたその瞳を光らせ
ジンはシズネの肩を抱くように、ルナの背後を守るように歩く
シズネはただただ不安に顔を染めた
「復讐するの、私たちのこの苦しみを味あわせてあげるわ」
月が照らすその城から現れた4つの影は復讐の炎を燃え上がらせ
静かに歩を進める
幸せに暮らす、歌を歌える事を当たり前だと思っている
VOCALOID達に……復讐するために
コメント1
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ご意見・ご感想
Lost@蒼宮
ご意見・ご感想
こんにちは!
設定見たうえで拝見いたしました~!
BAKUTO、ちょっと描いてみたいかも、なんて思っちゃいました。
ルナちゃんに身体をすりよせるなんて可愛いです~///
2010/02/21 16:35:10
神崎遥
蒼宮さんへ
閲覧有難うございます!
ぜ、是非ともBAKUTO描いてやってください!
頭の中では描けても実際に描けない私なので蒼宮さんがどうBAKUTOを描いてくれるのか
とても楽しみです!
ルナ姫のわんこですからww 実はすりすりシーンはとてもお気に入りだったりしますw
見てくださってありがとうございます!
イラスト楽しみにしておりますw
2010/02/21 22:31:30