ささくれた言葉はいつだって
 琥珀になった日々を掘り起こす
 意地を張って掴み損ねた腕
 別れはただ一瞬だけ

 押し殺した猜疑心って奴は
 水も光もなく独りでに育つ

 本音と建前の儀典審議を 
 闇の中 繰り返し思い出す
 後悔を風化させてしまわないように

 いつかの日々の横顔が
 いまだに後ろ髪を引く
 自分で捨てた癖してさぁ
 
 虚無に塗れた影法師
 いつまで僕に付き纏う
 ただ眠るように死ねたなら
 
 着信か?
 幻聴か。
 傷心気味の身にはちょっときついね
 
  ◆
 
 送っていくと何度言っただろう
 後姿を何度眺めたんだろう
 
 心の在り方を知ろうともせず
 ばら撒いた陰惨なエゴイズム 執着心
 駄々をこねる子供のように

 求めるほどに遠ざかる
 そのたびいつも見失う
 散りばめられた目印を
 
 僕によく似た黒い影
 自己愛という名の怪物
 ただ押し付けた理想像
 我侭に漸近線
 一方通行気味の失笑エレジー

  ◆

 ドロドロに溶けた熱い鉛のように
 ひりつく嘲笑
 腫瘍《できもの》の内側に抱えた自己嫌悪 
 相《あい》反する衝動

 散らかされてるテーブル
 放り出した 写真の中の過去に苦笑い

  ◆

 「ここでいいよ」と素っ気無い
 いつも通りの別れ際
 ムキになって不意に呼び止めた

 言葉は後に続かない
 踵返してうなだれて
 狼狽憂鬱全部蹴散らした
 クラクションに振り返る
 
 やけに綺麗な夕暮れを
 引き裂いてゆく君の声
 鼓膜の裏に張り付いて
 
 花束の無い病室で
 涙の中 最期に見た
 あの微笑みが離れない
 
 いつかの君の横顔は
 それでも後ろ髪を引く
 手を握ることは二度とない

 明けることない暗闇で
 醒めない夢を見続ける
 君の隣 戻りたいよ
 お別れだ じゃあバイバイ
 棺はそっと閉じておくれ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

0621

閲覧数:1,791

投稿日:2012/06/23 21:50:42

文字数:797文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

もっと見る

クリップボードにコピーしました