【ミク・F・ヴェールがする恐い話】
◎ヴァンパイア編◎

 ──じゃあ、私が2人にするのはヴァンパイアさんの恐い話よ。これは、私がお母さんから聞いた恐い話……。

 むかし…むかし……ある貴族のお屋敷に一人の少年が養子として迎え入れられました。その少年は自分のお父さんが病気で死んでしまい、お父さんと面識のあった貴族のヒトに引き取られたのです。
 少年が引き取られた貴族のお屋敷は、それはそれは、とても大きなお家でして、言葉では表現できないくらいのお金持ちでした。

 それで……その貴族のお屋敷には、引き取ってくれたヒトの息子さんが居たのです。その息子さんは引き取られた少年に『君を歓迎するよ』と言ったのですが、息子さんの隣には凶暴そうな犬がいたんです。
 凶暴そうな犬は『ワンッ!ワンッ!』と牙を剥き出しにして少年に襲いかかりました。

 襲いかかられた少年は、とてもとても犬が恐くなってしまい、恐怖のあまり足を上げてしまったのです。襲いかかった凶暴な犬は『キャンッ』と鳴いてしまい、少年から撃退されてしまいます。

 すると…飼い主であるお金持ちの息子さんは

「なっ! 何をするだァーーーーッ! ゆるさんッ!」
そう言って犬を蹴ってしまった少年と殴り合いをしてしまいました。

 この時です……貴族に引き取られた少年と息子さんの100年に渡る因縁が幕を開けてしまいました。
 少年は犬を蹴ってしまった次の日から、貴族の息子さんから虐めを執拗に受けるようになりました。

 どのような虐めかと言うと……少年が恋人となった女の子と愛の口づけを約束の木の下でしたあと、それに嫉妬をしてしまった息子さんから

「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」
と息子さんは嫉妬で怒り狂った状態で少年のことを徹底的に殴ったのです。

 少年はあまりのツラさに泣いてしまいました。どうして…僕は皆から嫌われているの……?。
 そのあまりにも、理不尽すぎる不幸な自分の人生に少年は絶望してしまいました。
 けれど…ある日、少年は新たな希望を見つけてしまいます。嫌われ者で不幸な人生を歩む自分に、新たな力を授けてくれる希望を……。

 少年が見つけた希望とは、屋敷の納屋で偶然に発見したあるモノ。そのあるモノとは、石で造られた仮面です。
 まるで顔に吸い付くような形をしたその仮面は、ヒトの生き血を欲しているようでした。少年はその時、気づいたのです。

「この仮面を使えば俺はヤツに勝てるッ!」
と石で造られた仮面を使って息子さんとその父親を殺してしまおうと画策しました。

 それから少年は暗殺が悟られないよう紳士らしくワザと振る舞い、貴族たちから受けるどんな理不尽な仕打ちにも耐えていきました。

 だけど……少年に不幸が突然、訪れてしまいます。息子さんのほうが少年のする行動に疑問を抱いてしまい、自分の屋敷を乗っ取られてしまうならばヤツを先に殺さねばならないと決心したのです。

 闘う決心をした息子さんは警察のヒトと手を組んで、屋敷を乗っ取ろうとする少年を追いつめていきました。
 追いつめられた少年にとって、一人対多数という絶対絶命な状況です。それに相手は銃を持った警察官……まさに勝ち目がありません。

 しかし……少年は圧倒的に不利な状況にも構わず、あることを思いつきました。それは、石で造られた仮面を自分に使う……と言う最終手段。
 こうなってしまえば、もう自分がどうなろうと関係ないッ! そう強く決心した少年は石で造られた仮面を手に取って…………。


















「おれは人間をやめるぞ! ジョジョーーーーッ‼」

 少年は自分の顔に石で造られた仮面を被せたのです。すると…石で造られた仮面はなんと、少年に新たな力を与えてしまいました。
 仮面が少年に与えた力とは……ヒトをヴァンパイアにしてしまう力だったのです。

 そして……ヴァンパイアとなってしまった不幸な少年は、貴族の屋敷から去っていき夜の世界へと旅立つのでした……。




──ミク・F・ヴェールがする恐い話おわり──

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投稿日:2020/01/05 18:47:30

文字数:1,704文字

カテゴリ:小説

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