＃「こたつむり」



私は共有リビングのコタツに陣取りながら、箱で買ってきたみかんをもぐもぐしている

あったかいコタツでアイスなんていう人もいるが、コタツにはみかん

コタツの上には、いくつかのみかんの皮とパ○の実の空箱

パイ○実に関しては、いまさっき、ゆるりーさんが持ってきてくれたのを、ほとんど私が食べた

あ、いや、語弊があった……みかんも大抵、私がたべた



ゆるりーさんは外で雪合戦をしているターンドッグさんとちずさんの様子を見に行った


「ただいま」


けど、すぐに帰ってきた


「早かったですねー。ゆるりーさんは参加しなくてよかったんですか？」


私はそういいつつも、次のみかんを丸裸にしていく


「いいんです。外、寒いですし……何より、あの中に入って、最後まで立っていられる自信はありませんから」


コタツに入って、一瞬ぶるっと体を震わせたゆるりーさん

私には何の事だかよくわからなかったが、特に気にはしなかった


「あ、そうだ、かっぱえび○ん食べますか？」


私は唐突にキッチンの棚にソレがあったことを思いだして、ゆるりーさんにきいてみた


「んー、それじゃ、もらいます」


ゆるりーさんの返事をきいて、わくわくとかっぱえびせ○をとりにいく


「やめられない、とまらない、カ○ビーかっ○えびせん」


この歌は絶対にはずせない

しるるさん、最近のお気に入り、かっぱえ○せん

○っぱえびせんを持ってきて、袋を大きく開いてゆるりーさんの前に差し出す


「いただきます」


一つだけとって、遠慮気味にぽりぽりと食べるゆるりーさん


「……かわいい」

「え？！」


あ、声に出してしまった

私は笑顔で誤魔化す

ゆるりーさんは不思議そうにしながらも、次々とかっぱ○びせんを口に運ぶ

うん、かわいい



私もかっぱえび○んに手を伸ばしてほっこりしていると、ちずさんが元気よく帰ってきた


「じゃーん、ミニ雪だるま」


ちずさんの小さなお手手に、小さな雪だるま


「ちずさん、とけるよ？」


私の心配のとおり、すでにぽたぽたと水が滴り落ちている


「あれ？ターンドッグさんは？」


ゆるりーさんは、ちずさんと一緒にいたはずの人がいないことに気づいた


「外で雪合戦してますよ？」

「え？一人で？！」


私は器用な人だなぁと思った


「イズミ草さんが掃除終わって参加して、あとはどっぐちゃんと、メイコさんとグミさんがやってきて……」


ちずさんのその言葉に私ははっとして立ち上がる


「イ、イズミさんがあぶない！」


どっぐちゃんとか、メイコさんとか、あの辺の剛速球くらったら死んじゃう！


「ターンドッグさんVSみんなで、ぼこぼこ当ててましたー」

「あ、なら大丈夫だ」


私は何事もなかったかのようにコタツに戻る


「私、ルカさんがいなかったので、もどってきました」

「そかそか、じゃ、手を洗ってきてから、このかっぱ○びせんでも食べな？」


というか、雪だるまつくってた時点で、もう雪合戦に飽きたんだろうなと思った私

ちずさんは、ぴゅんと台所に走って、ぴゅんと戻ってきた

そして、ぽりぽりぽりと食べる


「かわいい……」

「え？」


ゆるりーさんとちずさんが私を見る

あー……また、声に出してしまった

相手がつかさくんなら、飛びついてただろうけど←


「気にしない、気にしない」


こういう時は笑顔で誤魔化すのが大事




今日もコタツはあったかい

ゆるりーさんとちずさんと仲良くこたつむり


外の騒音など、きこえない、きこえない