S
朧に隠れる
静かな太陽
優しき光が
暗暗裏と二人を繋ぐ
A
静まり返った暗いほとり
木賊色(とくさいろ)の衣を翻し(かえし)
目に溜まる雫を
落とさぬように
優しい光を見上げて願う
B
『月よ彼に届けてください
私はここにいます
私は待っています
月の様に優しき貴方を
ただひたすらに…』
S
朧に隠れた静かな太陽
哀しき光が
暗暗裏に娘を照らす
A'
静まり返った暗い道
縹色(はなだいろ)の衣を翻し
不気味な煌めきに
殺られぬように
光を反射し(かえし)刀を抜いた
B'
『月よ少女に届けてくれ
君の側に私はいる
迎えには行けないけど
月の様に清らかな君が
瞼に浮かんだ…』
S
朧に消された静かな太陽
冷たき光が
暗暗裏に緋色(あかいろ)を照らす
S'
総てを見ていた静かな太陽
優しき光は
暗暗裏の別れを見ていた
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