昔むかしの水の底
今は遠い物語
金の刃と謳われた
小さなメダカのお話だ



とある底なし海の底
美し姫がありまして
銀の肌に珠の瞳(め)の
たいそう綺麗な姫君が


とある小池(おいけ)のメダカの子
噂のうわさを又聞きし
「一度あの手に触れたら」と
握って叫んだブロマイド


不撓不屈の意志の下
滝を登って空を駆け
竜の神さえ言い負かし
岩礁さえも貫いた



とある真珠の姫君は
たいそう綺麗で輝くが
心は冷たく渦巻いて
けして笑わぬひきこもり

A´
空の言葉に傷ついて
氷土に瞳を潤ませて
爪でなじってただ泣いて
珊瑚の宮から出て来ない


突如はじけた宮の壁
飛び込む小さな魚の子
いったい誰ぞと叫んだら
「名もないメダカにございます!」


嘆き悲しむ贅沢を
風雲のごとくぶち壊し
幽玄無為なる理を
ただのメダカが砕くとは!



とあるメダカの無礼者
真珠の姫の手を取って
「なんて醜い指先か!」
そのままヤスリで整える


真珠の姫君ただぽかん
輝く顔には目もくれず
メダカは不精と憤る
「なんと可笑しいことでしょう!」


あれほど澱んだ世界すら
不思議と可笑しく面白く
見目声音の表装も
要らぬ者には意味もない



昔むかしの水の底
今は遠い物語
金のヤスリと謳われた
小さなメダカのお話だ


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

金の刃と銀の姫

反省はしてる。後悔はしてないこともない。やっぱ反省もしてない。

指フェチメダカとヒッキー姫さまのお話。

閲覧数:77

投稿日:2012/12/06 10:36:58

文字数:572文字

カテゴリ:歌詞

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